U2のエッジが語る、「理想」を形にした初のシグネチャーモデル誕生秘話

U2のエッジが語る、シグネチャーモデルのストラトキャスターとデラックスアンプの誕生秘話(Photo by Larry Marano/Getty Images)


ーそのゴールに向かってどのようにアプローチしたのでしょう?

一歩ずつ近づいていった感じだね。俺は科学者みたいなところがあるから、まず第一にギターという楽器の構造をしっかり把握しようと思った。ストラトを作る方法にもいろいろあって、知れば知るほど面白かったよ。ボディの木、ピックアップ、ブリッジ、それらの組み合わせで次第で全く違う音になるんだ。

ストラトを作る上で、俺には絶対に譲れない点が幾つかあった。ネックの寸法や、70年代のギター特有のリッチなレゾナンスを生み出す大きめのヘッドとかね。その一方で、ブリッジに使われる素材の違いがサウンドに及ぼす影響とか、開発に携わって初めて知ったこともたくさんあった。それまではピックアップと弦のサイズによる音の違いくらいしか意識してなかったんだ。「エレクトリックな楽器なのに、ボディに使われる木やブリッジの素材の違いで音が変わるなんて!」って感じだったんだ。でも本当に驚くくらい違いが出るんだよ。

ー最初に学んだことは何でしたか?

ボディに使われる木の違いがトーンに及ぼす影響だね。ハンノキとアッシュのどちらを使うかによって、音が大きく変わるんだ。

ー両者を比較してみていかがでしたか?

まさに目から鱗だったよ。長年愛用している70年代のお気に入りのギター2本について調べてみたら、どちらにもハンノキが使われていた。でもそれが決定的な違いを生むかどうかは確信がなかったから、アッシュをボディにしたストラトを作ってもらったんだ。指板には俺が慣れ親しんだメープルの他に、ローズウッドを使ったものも作ってもらった。違いは明白で、本当に驚かされたよ。見た目の差かと思っていたけど、サウンドに決定的な違いが出るんだ。

ーそのギターをステージで弾きましたか?

もちろん。ツアーで実際に使ったけど、すごくいい音だと思った。『ブラディ・サンデー』か何かで、アッシュボディとローズウッド指板のギターを弾いたよ。でも俺が慣れ親しんだストラトのサウンドとはやっぱり大きく違ったから、最終的にはハンノキボディとメープル指板の組み合わせを選択した。ハンノキのボディはサウンドに厚みを、メープルの指板は艶と明るさを与えるということを実感として知ったからね。ハイとローにおけるリッチな響きも大きな理由だった。『プライド』や『約束の地』のユニークなサウンドを再現する上で、どちらも欠かせない要素だからね。

Translation by Masaaki Yoshida

タグ:

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE