ストーンズも認める注目の新星グラムロック・バンド「ザ・ストラッツ」とは


ザ・ストラッツ(スピラーとギタリストのアダム・スラック、ベーシストのジェド・エリオット、ドラマーのゲシン・デイヴィス)が観客のために5年間続けてきた活動が今、実を結ぼうとしている。バンドは全米デビュー・アルバム『エヴリバディ・ウォンツ』をリリースしたばかりで、収録されているキャッチーなシングル『クッド・ハヴ・ビーン・ミー』はオルタナティヴ・ロックのラジオ・チャートで5位に入り、Spotifyでは900万近い再生回数を記録した。2年前、ローリング・ストーンズがパリ公演のオープニング・アクトにザ・ストラッツを起用した時、スピラーは観客にしてほしいことを伝えて嫌がらせるのを楽しんだ。「ルークが75000人の観客に床に座れと言うんだよ」とエリオットが説明する。「俺たちがつながることができたのは観客の中の10000人くらいで、彼らはそれを気に入ってくれた」とスピラーが補足する。

スピラーとバンドメンバーは前から知っていたが、トップ40にふさわしい若いロック・バンドを求める人たちが相当いるという事実が、彼らのヒット・シングルとストーンズのギグによって証明された。「子供の頃に俺と似たようなヤツがいて、よくACDCやレッド・ツェッペリンについて何時間も語り合ったよ」とスピラーは述べる。「火のないところに煙は立たない。俺たちが唯一無二の存在でないことは分かっている。でも、子供たちが俺たちの格好を真似するようになるかどうかは問題じゃないんだ。精いっぱい良い曲を作るべきだという信念を常に貫くだけだよ。それが最優先事項さ」。


ブリストルの敬虔なクリスチャンの家庭で育ったスピラーは、学校の劇でミュージカル『ヨセフ・アンド・ザ・アメージング・テクニカラー・ドリームコート』のロックンロールなファラオを演じた9歳の時に、初めて聴衆の注意を引く快感を味わった。続いて15歳の時に英国グラムの伝道者ザ・ダークネスの音楽を聴いたことが彼の人生を変えた。彼はすぐにアイライナーを引いて学校へ行き、気がつくと「60年代や70年代のすべてに夢中になっていた。すごく懐かしく感じて、その時代の何かが俺を魅了したんだ」。

好きなバンドのこととなると、スピラーは入手可能なすべてのライヴ・パフォーマンスの映像を見て、ヒーローたちの動きを学び、彼らがどんな風に自分たちの音楽を披露したのか、そして自分自身はどうやって人の目を惹きつけることができるのか探ろうとした。数年後、友達の家のキッチンで「SIR ROCK & ROLL」というタトゥーを胸に入れた。バンドが軌道に乗り出したので、スピナーは、マーキュリーやクイーンのギタリスト、ブライアン・メイの衣装をデザインしたザンドラ・ローズとコンタクトを取った。彼女はすぐに、スピナーのステージ衣装のデザインを始めた。先ほどのLAで着用した鮮やかなブルーのトップスも彼女のデザインだ。

Translation by Shizuka De Luca

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