米レコード協会「ゴールド・ディスク」基準を改定:売れなくても獲得できる新システムとは

アルバムのセールス枚数にストリーミング数がカウントされるようになったことで、ゴールド・ディスクやプラチナ・ディスクの威信が揺らいでいる。 Illustration by Douglas B. Jones


アメリカ・レコード協会(RIAA)がゴールド・レコードの基準を変更。獲得はたやすくなったのか?


58年間、ゴールド・ディスクの基準はシンプルで、アルバムやシングルは50万枚売れたら壁掛け用の光り輝くレコード盤が送られた。しかし、アメリカ・レコード協会(RIAA)が2月上旬に導入した新しいガイドラインのおかげで、ゴールド・ディスクの獲得はそれまでより楽に、しかし以前より複雑になった。


算出方式には、実売数に加えて、YouTubeでの再生などを含むストリーミング・サービスでの聴取回数が織り込まれるようになり、デジタル・トラックのダウンロードは10回で1枚のアルバム・セールスとして計上される。また、Spotify、Apple Music、Tidal等のストリーミング・サービスについては再生回数1500回でアルバム1枚を売り上げたことにする。このため1枚のLPにつき、ストリーミングが7億5000万回に達したものはゴールド・ディスクとして認定されることになる(この基準変更はアルバムだけに適用される。RIAAはシングルについてのゴールドおよびプラチナの認定には2013年からストリーミング・データを含めている)

この変更の効果はすぐに現れた。ケンドリック・ラマーの『トゥ・ピンプ・ア・バタフライ』やミランダ・ランバートの『プラチナ』、ホージアの『ホージア』などのLPは、以前の基準である100万枚のセールス枚数には届いていないにもかかわらず、あっという間にゴールドからプラチナへと出世した。エル・キングやアルト・ジェイなどの中堅ミュージシャンも、一夜にしてゴールド・ディスク・プレイヤーとなった。RIAAは、この新しい基準に従い、これまでに29の新しいゴールド・アルバムとプラチナ・アルバムを認定している。これには、過去に認定されたアルバムが更に上のレベルにジャンプしたものも含まれている。たとえば『スリラー』は30xプラチナから32xプラチナに跳ね上がった。


Translation by Kise Imai

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