デッドファンのアーティストが選ぶ、グレイトフル・デッドの名曲

ダン・オーバック(ザ・ブラック・キーズ):『ミー・アンド・マイ・アンクル』(1971)
Dan Auerbach
Photo: Jeff Hahne/Getty

アルバム『グレイトフル・デッド』で思い出すのは、父と車で各地を回っていた時のことだ。父は骨董商で、商売のためにいろんなところに出かけた。そして擦り切れるまでアルバムを聴いた。二人で『ミー・アンド・マイ・アンクル』を歌い、父が最後の「I left his dead ass there by the side of the road.(奴の亡骸を道端に置き去りにした)」というところを歌うのだけど、僕はそれがすごく好きだった。朝5時に起きてオハイオの田舎町の骨董商の家やフリーマーケットを回り、車を停めてこの曲が終わるまで聴いた。聴き始めたら最後まで聴かずにはいられない曲なんだ。

アルバム全体としてはグレイトフル・デッドにしてはずっとアップビートでロック調だ。観客が踊ったり盛り上がれるように、ライヴに合わせて演奏していることがわかる。曲は全てカッコよくて、ヒッピーが踊るにはピッタリだ。彼らのステージにはオペラとかクラシックみたいな動きがある。ライヴの中で旅に出ているんだ。もう誰もそういうライヴをしたいね。ライヴ・アルバムを作るならこのくらいのクオリティを目指したい。最高に感動的だ。


Translation by Satoko Cho

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