90年代の人気ヒップホップ・トラック・ベスト10


8位 アイス・キューブ『イット・ワズ・ア・グッド・デイ』


ゲットーのダークなストーリーを語らせれば右に出るものはいないアイス・キューブだが、この曲では人生における喜びを綴ってみせた。ごく平凡な日常を描いたこの曲『イット・ワズ・ア・グッド・デイ』は、元N.W.Aのメンバーというイメージに固執していた彼のファンを驚かせた。マリファナを吸い、通りをうろつき、「Yo! MTVラップス」を観るという日常を讃えるこの曲は、アイス・キューブの異なる一面を確立したキャリア史上最高傑作のひとつだ。


7位 ザ・ノトーリアス・B.I.G.『ジューシー』


ビギーのデビューアルバム『レディ・トゥ・ダイ』が革新的な作品として語り継がれるのにはいくつもの理由がある。中でも特筆すべきは、クラブでの喧騒と日常のリアルを同居させたバランス感であり、『ジューシー』はその最たる例だと言える。発表から20年が経った今でも、その輝きは少しも失われていない。ビギーの才能を認めようとしなかった哀れな者たちへ向けられた言葉の数々は、今も聴き手の心に切なく響きわたる。

Translation by Masaaki Yoshida

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