映画史に残るボウイのサウンド&ヴィジョン12選

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(『月世界の白昼夢』)
マーベル・シネマティック・ユニバースの王道を行く銀河系の冒険物語の監督であるジェームズ・ガン曰く、 「70年代の曲を盛り込んだスペース・オペラにジギ―・スターダストを入れないなんて考えられない」。彼の言うことはもっともだ。莫大な利益を上げるスーパーヒーロー・サーガにあり、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』 はおそらく最もリスキーなチャプターだった筈だ。マーベルの幅広い客層に、マシンガンを持ったアライグマや、片言で話す木のエイリアンが登場するSFストーリーを売り込まなければならなかったからだ。柔軟性に欠ける人間と地球外生物のギャップを埋める役割として、デヴィッド・ボウイはまさに適役だ。ガーディアンズがノーウェアと呼ばれる場所に向かう時、『月世界の白昼夢』が流れ、この映画は「フリーク」という旗を掲げる準備に入る。「飛んでいくんだ、月世界の白昼夢へと」ボウイは歌う。まるで、気楽に旅を楽しむようにと我々に伝えているようだ。

『オデッセイ』(『スターマン』)

映画で使用する音楽を選ぶ時、文字通りそのまま曲を当てはめることが最良の方法となることもある。このやり方は、リドリー・スコットの大ヒット映画に素晴らしい効果をもたらした。マッド・デイモン扮する主人公は火星に取り残され、あるのはホットなアバの音楽と、排泄物を肥料として栽培したジャガイモだけ。『オデッセイ』は断片的なSFストーリーだ。ではなぜこの映画はこんなに楽しめるのか?一つには、現代科学がいかにフィクションを実現させつつあるかを、スコットは音楽を用いて表現しているからだろう。それがよくわかるシーンがある。遠くの惑星に一人残された男をNASAがなんとか救出しようと作戦を立てているところに、我々地球人の大好きな異星人が優しく歌い始めるのだ。「あの空でスターマンが待ってるんだ/台無しにするなと彼が言う/彼には僕らに会いに来ることが価値のあることだと知っているから」効果的に、そしてぴったり合い過ぎているのだ!



Translation by Aki Urushihara

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