関係者が語る『★』制作秘話:「ISISについて歌っていると言っていた」

ローリングストーン日本版2016年3月号掲載


3年前、ボウイはほぼ10年ぶりの新作『ザ・ネクスト・デイ』を発表した。(これまで彼が作ってきたものと比べると)比較的普通のロックアルバムとなった。だからこそ『★』では、ボウイはまるで違うことをやると決めていた。ヴィスコンティは振り返る。「みんなケンドリック・ラマーにはまっていたんだ。結局、彼みたいにはならなかったけどね。でもラマーの懐の広さや、純粋なヒップホップ作品を作ろうとしないところが気に入っていた。彼はいろんな要素を投入してくる。それこそが我々がやりたかったことだ。いろんな意味で、ロックンロールを避けることが目標だった」

マッキャスリンのバンドメンバーは、クラウト・ロックからヒップホップやポップまで、ボウイの注文には何でも応えた。『★』は10分間のタイトルトラックで始まる。シュールで幽霊でも出てきそうなこの曲は、2つの全然別の楽曲をボウイとヴィスコンティが1曲にまとめたものだった。オリジナルバージョンは11分超えの大作だったが、のちにiTunesが10分を超えるシングルを配信しないと知って、9分57秒に削ったのだった。「全くもってひどい曲だよ」とヴィスコンティは笑う。「でもボウイは、これをシングルにすると言って聞かないんだ。アルバムとシングルでバージョンを別にするのも嫌がった。ややこしいからって」

ボウイは2006年のチャリティイベントでアリシア・キーズと『チェンジス』を歌って以来、公でパフォーマンスをせず、10年以上インタヴューにも応じていない。2004年に動脈閉塞で緊急手術を受けたことから、健康上の問題を抱えているのではないかという噂もあったが、『★』の関係者は否定する。「ボウイの体調は良かった」とヴィスコンティ。「すごく緻密なアルバムを作ったことからもわかるだろう」

Translation by Kuniaki Takahashi

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