2016年アカデミー賞、12の意外な脱落作品

4.ポール・ダノ、助演男優賞『ラブ & マーシー』
オスカーより面白い伝記映画パフォーマンスははないだろう。しかし、時折、少数の投票グループはまるで、称賛されるべき人物を特定する能力がまったくないように感じられる。若かりし頃のブライアン・ウィルソンを演じたポール・ダノは、ただアイドルを真似た俳優の新たな例となっていたかもしれない(そしてもし彼が今回のアカデミー賞でこの映画のみに出演していたのであれば、おそらくそうなっただろう)。だが彼の演技はすぐに単なる模倣を超える。うわべを飾ることだけに夢中になるのを嫌悪するダノは、最高のサーフロックスターの隠れた部分を彼が感じたまま表現している。その洞察力は同様のたぐいまれな能力を抱える男の繊細な永遠のレポートレートとなり、ダノは彼の価値を思い切り表現している。

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Jurassic World Universal Pictures/Everett

5.『ジュラシック・ワールド』、視覚効果賞
新たな恐竜が登場した。そしてそれは巨大だった(そして、世界中の映画好きのおおよそ112%が、よく見える席に別料金を支払った)。もちろん、インドミナス・レックスは『フォースの覚醒』と張り合うため、より優れた能力が備わっていたかもしれないが、文字通り、スクリーンではほとんど姿を消している。また、このノミネーションを保証するオスカー評論家に対し公正を期して言えば、レイプのデマによって『レヴェナント』のコンピューターで作られた熊が、いわゆるスターのような座についただろうとは誰も予想できず、InGen社の善良な社員にとっては理解し難いことが分かる。


6.イドリス・エルバ、助演男優賞『ビースト・オブ・ノー・ネーション』
『ビースト・オブ・ノー・ネーション』で、エルバは主役ではないが、彼が演じる西アフリカ人の司令官は、キャリー・ジョージ・フクナガの少年兵における残忍なストーリーの各シーンをカバーするのに十分な、不安の影を落としている。カリスマ的だが非情な、訛りの強いエルバの演技は、オスカーへのチケットとして見られたが、映画(真っ先に、ネットフリックスと劇場で同時に上映された)は完全に無視された。おそらくこの新手の公開戦略が大きな理由であると考えられる。

Translation by Kayoko Uchiyama

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