フー・ファイターズ、ウィーザー、ケイジ・ジ・エレファント:それぞれのロックとは

Photo by Peter Bohler/Redux

フー・ファイターズ、ウィーザー、ケイジ・ジ・エレファント、PWR BTTMの最新作に注目

アルバム『ネヴァーマインド』から20年以上が経ち(いや、感覚だけではなく、あなたは本当に年老いたのだ)、その間デイヴ・グロールは人間マペットになり、パンクロックの暴徒から磁気テープ保護主義者へと成長した。

デイヴ・グロールを好きな理由はたくさんある。まず、彼の音楽がトップ10に入らないなんてことがあるのだろうか。と、思っている時点でそうである。彼も同様のことを考えているのだろうか。グロールは音楽の守護聖人である聖セシリアにわずかな癒しを求めて、「もう秘密なんてない/俺の名前が君のドアの外に掛かっていた/ただの古くて目障りなもの」と歌いながら、フー・ファイターズの新しいミニアルバムから『セイント・セシリア』をスタートさせる。収録曲は過去のスタイルと彼らがかつて反対していた支配的な文化を融合させながら、つまりうるさく、激しい高速なハードコアのエトスを70年代のブギウギに溶け込ませながら、うなるように進んでいく。このEPのタイトルはレコーディングが行われたオースティンのホテルの一室にちなんで名づけられたものだ。しかし、この音楽は場所や時間などの特別な意味はない。フー・ファイターズは崩壊していく古典主義のようなものを完成させ、密閉されているように感じるが、魅力が溢れ出てくる(収録曲『Savior Breath』でのモーターヘッド風のビートのストンプや『Iron Rooster』の悲しげなリズムを聴いてみてほしい)。

ケイジ・ジ・エレファントは、アルバム『テル・ミー・アイム・プリティ』で異なる古典主義スタイルを繰り広げている。彼らは60年代のメロディ主義を求め、長く加工されていない素晴らしいロック・ライヴ演奏と激しいリフを取り入れている。ダン・オーバックがプロデュースした本作のサウンドはガレージ魂に根付いているが、さらに深いものを追求しようとしている。『クライ・ベイビー』や『スウィーティー・リトル・ジーン』などの収録曲は、サイケデリアの探検とブルースの真理の間を行き来し、ヤードバーズの曲『フォー・ユア・ラヴ』を彷彿とさせる。冒険心に溢れたラジオ番組制作者がエド・シーラン用の時間枠を上品なバラード曲『トラブル』に充て、ケイジ・ジ・エレファントがギターバンド不在の今日のポップスター陣に加わることができるように祈ろう。

『Do You Wanna Get High?』と『Thank God for Girls』の偶発的にできたウィーザーの新曲2曲の歪んだわめき声は、ギターの英雄的資質が自己不信に陥りかけた90年代半ばの頃を思い起こさせる。メロディやサビが次々と飛び交っているが、私たちはドラッグや素晴らしい女性という生き物について歌ったこのような曲を今までに聴いたことがあっただろうか。

パワー・ボトムのアルバム『Ugly Cherries』での噛み砕く音のようなギターも親しみ深く感じられるが、彼らの展望はそうではない。アップステート・ニューヨークにある大学で出会ったブルックリン出身のデュオはグリッターで飾り女装をした姿で、ヴァン・ヘイレンやトミー・ジェイムス&ザ・ションデルズ、ウィーザーなどのあらゆるバンドを真似したリフに独自のアレンジを加えている。2015年におけるロックの一大サプライズのひとつである彼らの作品には、少年や口紅、頭痛についてのたくさんの曲が収録され、自分たちの存在を自身の音楽の英雄として確立させた2人の変人アーティストによるスリルがみなぎっている。ロックンロールの中でもかなり古い芸当がなされ、非常に大きな目的を持っている。ギターをプラグにつなぎ、大音量でルールを書き換え、自由の意義を主張することだ。この手法は今でも通用するものである。

ローリングストーン誌(US)1252より:2016年1月14日

Translation by Shizuka De Luca

RECOMMENDEDおすすめの記事


Current ISSUE

RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事