ボウイのベーシストが語る20年:「彼が私の人生を変えた」

2012年9月18日ドロシーとデヴィッド・ボウイ 『私がずっと思っているのは、彼の歌声が男性ロックスターの中で一番だってこと』 (Photo: by Brian Rasic/Getty)


ーどうして6か月の契約がそこまで延びたのですか?

えっと、ただ終わりがなかったのよ。『アウトサイド』のツアーの後は、リーヴス・ゲイブレスが加わって『アースリング』の制作に取りかかったの。ナイン・インチ・ネイルズのツアーから離れて、そのままニューヨークのスタジオ入り。彼はたくさんの余分な人をやめさせて、ギター、ベース、ドラム、キーボードっていう基本的なバンドの形にして。そしてそこから活動が止まることがなかったわ。「私、自分のアルバム作りに戻ろうかな。」なんて言う瞬間なんて一瞬足りともなかったの。すっかりその勢いにはまり込んでしまったのね。

ーあなたを連れ去ってしまう「サーカス」とかそんな感じのものに加わった感じですか?

その通り。そして全部、とってもためになる人生経験だったわ。当時私は、わずか30歳だったのよ。

ー当時のボウイはどんな感じでしたか?頭に描いていた彼のイメージと比べてどうでしたか?

思っていたより普通だったわ。もちろん彼のイメージは、変な衣装を着た薄気味悪い男だったわけで。長年表現してきたキャラクターは、みんな見てきたわけでしょ。でも私の興味を引いたのは、本当のジェントルマンだったってこと。どこにも派手さ、見栄っ張り感、やり過ぎた感がなかったわ。とても普通の人。彼の周りの世界は全部すごいものだったけど、実際はとっても親切で慈悲深い人だったの。

それから、とってもとっても賢かったわ。そうかなとは思っていたけど、想像以上に賢くて。とっても知的で熱心な読書家で、いつも読書してたの。そして記憶力がすごい人。私には彼がどうやってたくさんのことを覚えているのか分からなくて。特にお酒やドラッグに長年溺れていた後だったのに。

ある時私に、私が昔の彼を知らなくて良かったって言ってきたの。昔は全然違ったのかもしれない。昔に何をしてたのかは知らないけど、私が知っているデヴィッド・ボウイは、お酒にもドラッグにも溺れてなくて、すごく活動に専念してたわ。またこれが面白い人で。すごくユーモアのセンスがあって、とってもウィットに富んでいて頭の回転が速かったわ。コメディアンにもなれたんじゃないかしら。

Translation by Miori Aien

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