アース・ウィンド&ファイアーの創設者でシンガー、モーリス・ホワイト氏が74歳で逝去

独創的なファンクソウルグループ、アース・ウィンド&ファイアーの創設者でリードシンガーの1人、モーリス・ホワイトが逝去した。74歳だった。Photo: (Ed Perlstein/Getty)

20年以上に渡るパーキンソン病と闘いの末、この世を去ったソウル・ファンク界のリーダー

アース・ウィンド&ファイアーの創設者の1人でボーカルのモーリス・ホワイトが2月3日(水)の夜、ロサンゼルスで逝去した。バンドの代理人が『ローリングストーン』誌に彼の死を認めた。74歳だった。

ニュースサイト『TMZ』によると彼は1992年からパーキンソン病と闘っていた。彼の健康状態はこの数ヶ月悪化していたという。闘病を理由に、彼は1994年以来、ソウルとR&B界の先駆的なバンド『アース・ウィンド&ファイアー』のツアーに参加していなかったが、バンドのビジネス面において仕事を続けていた。

「私の兄、ヒーロー、そして親友でもあるモーリス・ホワイトが昨晩、寝ている間に安らかに息を引き取りました」。弟でバンドのメンバーのヴァーダイン・ホワイトが声明を発表した。「世界はまた一人偉大なミュージシャン、そして伝説を失いました。私たち家族にとっては非常につらい人生の変化が始まることになりました。皆さんの祈りと善意に感謝します」。

「彼はあなたに、そして私に降り注ぐ光である」とバンドはツイートしている。

モーリス・ホワイトは1969年、ヴァーダインとともにアース・ウィンド&ファイアーを結成し、革新的かつ華やかでエレクトリックなスタイルの音楽の一旦を担った。彼らの音楽はスライ・ストーンやジェームズ・ブラウンと同様、ファンク、ジャズ、R&Bやラテン音楽からインスピレーションを受け、そのユニークな音楽は70年代のソウルミュージックの方向性を決定した。跳ねるようにしなやかなソウルポップ『シャイニング・スター』は、ホワイトが作詞作曲者の一人として名を連ねている作品で、初めてチャートの1位を獲得した。この成功によって『シング・ア・ソング』やパーカッションと金管楽器を駆使した『セプテンバー』、ビートルズの楽曲の軽快なカバー『ゴット・トゥ・ゲット・ユー・イントゥ・マイ・ライフ』、ロボットのようなディスコミュージック『レッツ・グルーヴ』への道を開いたのである。1975年のシングルにして甘くなめらかな楽曲『暗黒への挑戦』は、ローリングストーン誌の「オールタイム・グレイテスト・ソング500」の一曲に選ばれている。

AP通信によるとアース・ウィンド&ファイアーは世界中で9000万枚以上のアルバムを売り上げている。その中には1975年の『暗黒への挑戦』、翌年の『魂』、1977年の『太陽神』をはじめ、マルチプラチナアルバムが何枚もある。彼らはこれまで6つのグラミー賞を獲得し、2000年にはロックの殿堂入りも果した。また今月に開催されるグラミー賞でRUN-D.M.Cやハービー・ハンコックとともに特別功労賞生涯業績賞を受賞することが決定していた。

Translation by Yoko Nagasaka

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