90年代の人気海外ドラマ、ベスト10

2位『フレンズ』


一見したところ、『フレンズ』に特筆すべきところは何もないように思われた。ひねりのないタイトルとは別に、私たちはこの俳優たちの多くが冴えないシットコムを渡り歩くのを見てきた。それがやがて、この番組は何かが特別だということが分かってきた。誰かひとりが過剰な注目を浴びることなく、アンサンブルが素晴らしい相性だったのだ。そのうち女性たちはジェニファー・アニストンのようなヘアスタイルになり、主題歌は実際にラジオでヒットし、キャストたちはオプラの番組からローリングストーン誌表紙までいたるところに登場した。ロスとレイチェルのドラマは必要以上に延々と描かれたが、言うまでもなく最終的に彼らは結ばれた。

1位『となりのサインフェルド』


『となりのサインフェルド』は決してスタート時から即ヒットしたわけではなかった。番組は1989年7月に『The Seinfeld Chronicles(原題)』のタイトルで初放送。クレイマーはケスラーという名前で、エレインは登場せず、ウェイトレスのクレアは主要なパートだった。このパイロット版はたいした視聴率を得られず、第2話のオンエアは約11カ月後まで先延ばしされた。この間、ジェリー・サインフェルドとラリー・デヴィッドは欠点を見直し、『サタデー・ナイト・ライブ』出身の女優ジュリア・ルイス=ドレイファスをジェリーの元恋人役として起用。番組はそこそこ成功といった感じだったが、NBCは可能性を確信していた。

数カ月が過ぎるにつれ脚本にはより磨きがかかり、『となりのサインフェルド』の視聴率は上昇し始めた。シーズン3の頃には毎話およそ1800万人が視聴し、最終シーズンの頃にはその倍の人数となった。ジェリーは番組続行のために巨額をオファーされたが、同意すれば築いてきた伝説を汚すことになるだろうと分かっていた。『となりのサインフェルド』が終了してから17年になるが、ケーブル局で絶えず再放送されており、この番組が幕を閉じたとはとても思えない。

Translation by Sayaka Honma

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