デヴィッド・ボウイの隠れた名曲20選

6 『クリミナル・ワールド
『レッツ・ダンス』はボウイ最大のメガヒットアルバムで、14年間ロック界で走り続けてきた彼の集大成とも言える。アルバムは『モダン・ラヴ』で始まり、『チャイナ・ガール』、『レッツ・ダンス』と続く。MTVでヒットした『レッツ・ダンス』が目当てでアルバムを買い、繰り返し最後まで聴くことのなかった人は、この曲を見逃したかもしれない。『クリミナル・ワールド』は80年代独特の旋律で、スティーヴィー・レイ・ヴォーンが素晴らしいギターを披露している。またアルバムで唯一、ボウイではなく70年代懐かしのバンド「メトロ」が制作を担当した。

5 『サーズデイズ・チャイルド
1999年10月にまでに、デヴィッド・ボウイは立て続けにアルバムを発表したものの、いずれも期待外れに終わった。そのため『アワーズ』の発売はあまり関心を呼ばなかったが、彼はこのアルバムで見事な復活を遂げた。時代の最先端であり続けるためにいろいろ試みたのは過去の話、代わりに彼は優れた曲を制作することだけに心を注いだ。中でも最高なのはオープニング曲『サーズデイズ・チャイルド』だ。このタイトルは、1956年にアーサー・キットが出版した本から付けられた。アルバムは全米ビルボードチャートで47位。当時はブリトニー・スピアーズ、コーン、そしてバックストリート・ボーイズが絶頂期にあり、ボウイは化石のように見られていた。だがこの後、トニー・ヴィスコンティと再びタッグを組み制作した2枚のアルバムは、注目に値する作品となった。

4 『スリップ・アウェイ
ミレニアムの変わり目頃、ボウイは新曲と初期の楽曲の再録をミックスしたアルバムの制作に取り掛かった。『スペース・オディティ』以前の曲がファンの心を掴めなかったのは、制作に問題があると常に感じていたからだ。このアルバムは「トイ」と名付けられ、概ね完成していたが、最終的に『ヒーザン』が選ばれ、発売は見送られた。(しかし『Toy』の音源は2011年にインターネット上に流出した。)『トイ』の制作過程で生まれ、『ヒーザン』に引き継がれた曲のひとつに『アンクル・フロイド』がある。『スリップ・アウェイ』と改題されたこの楽曲は、70年代の子供向け番組『アンクル・フロイド』に言及しながら、時の流れを胸をえぐられるような旋律で表現している。2003年~2004年の「リアリティ」ツアーでは、毎晩クライマックスにこの曲を演奏した。

Translation by Aki Urushihara

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