B.B. キング至極のライヴパフォーマンス5選

『B.B.キング・ライヴ・イン・ジャパン』(1971年)

1971年のキングは、最上のライヴアルバム『ライヴ・イン・クック・カウンティ・ジェイル』をリリースする一方で、駄作とされる『イン・ロンドン』の録音も行った。イギリス人のブルースメンやロッカーとの共演は、良い結果を生み出さなかったのだ。そして同年3枚目のライヴアルバム『B.B.キング・ライヴ・イン・ジャパン』はアメリカでは1999年までお蔵入りとなっていた。このアルバムでは、この時期の他のライヴ録音よりも、やや幅の広いキングを愉しむことができる。長尺で、ほとんどインストロメンタルだけの「ニジ・ベイビー」「ヒカリ88」、そして9分間にわたる「ジャパニーズ・ブギー」では、あまり記録に残されていないようなキングのリラックスしていて享楽的な側面を垣間見ることができるのだ。



B.B.キング & ボビー・ブランド『トゥゲザー・フォー・ザ・ファースト・タイムライヴ』(1974年)

かつてR&Bの覇権を競うライバルだった2人のブルースの巨人が、70年代にジョイント・コンサートを行った。お笑いのプロのような間で冗談を言い合う彼らはすぐに、お互いのスタイルが補完しあうものであることを発見した。この1時間のセットの序盤でキングは、「今夜は何のプランもないまま始めるぞ」と語っている。それが本当かどうかはさておき、そこには確かに自発的で、けしてだれることのない火花が散っている。キングのギターがブランドのような熟練のヴォーカリストをサポートしている様子は勉強にもなるし、エキサイティングでもある。彼らはその後も定期的にツアーを続け、あまりパッとしない内容ながら、2枚目のアルバム『トゥゲザー・アゲイン・・・ライヴ』もリリースしている。



『ライヴ・イン・アフリカ 74』(1991年)

ザイール(現コンゴ)で行われたモハメド・アリとジョージ・フォアマンの1974年の伝説のボクシング戦『ランブル・イン・ザ・ジャングル』は、ドキュメンタリー映画『モハメド・アリ かけがえのない日々』に記録されているが、このとき同時開催されていた3日間の音楽フェスでヘッドライナーを務めたのがキングだった。いつものツアーメンバーに加えて、クルセイダーズからも何人か参加したバンドメンバーたちは、ライヴの日までキンシャサでパーティ三昧の日々を過ごした。(ピアニストのロン・リーヴィーは後に、「洋服はオプションで着ても構わないよという感じだった。快楽主義が徹底され。カリギュラでさえ素人だった」と語っている)。しかし、ステージに上がった彼らはベスト・コンディションで、キングのグレイテスト・ヒッツを、現代風のスムース・ファンク風にアップデートして魅せたのだった。

Translation by Kuniaki Takahashi

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