若干21歳のDJ、アンソロインタヴュー:俳優アンセル・エルゴートのもうひとつの顔

ーダンス・ミュージックは細分化されがちですが、あなたの音楽はどのジャンルに属していると思いますか?

最近は何でもかんでもプログレッシブ・ハウスって呼ばれてるよね。それぐらいプログレッシブ・ハウスが幅を持った音楽ということなのかもしれないけど。自分の音楽を形容するとしたら、グルーヴィ・ハウス・ミュージック、あるいはグルーヴィなドライビング・クラブ・ミュージック、そういう感じかな。でもピュアなクラブ・ミュージックだけじゃなくて、そういう音楽からインスパイアされた歌モノのキャッチーな曲も作りたいと思ってるよ。いかにもっていう感じのクラブ・ポップにはしたくないけどね。今のダンス・ミュージックをカテゴライズするのは難しいよ。ひとえにディープ・ハウスといっても、サブジャンルが10くらいあったりするからね。コアなディープ・ハウスのDJたちの中には、オリヴァー・ヘルデンスの音楽がディープ・ハウスだって呼ばれることに我慢できない人たちもいるだろうね。でもディープ・ハウスっていう言葉がそれぐらい一般的になっているっていうことだと思うんだよ。

でもやっぱり自分の音楽をあえて形容するとしたら、プログレッシブめのグルーヴィ・クラブ・ミュージックかな。恍惚感をもたらしてくれる、エモーショナルな音楽だと思ってるよ。

ー今のあなたにとっての目標はなんでしょう?俳優としての活動を続けながら、DJとしてどういうキャリアを築きたいと考えていますか?

僕はただ音楽を作りたいだけなんだ。長く人々の記憶に残るような作品を発表していきたいと思ってる。『アンソロが5年前に出したあの曲、今聴いてもやっぱりいいよね』って、そんなふうに言ってもらえる音楽を作りたいんだ。今日のセットはジャミロクワイの『キャンド・ヒート』で始めるつもり。何年も前の曲だけど、あれを好きじゃない人なんていないからね。色褪せない音楽っていうのはああいう曲のことだと思うんだ。

すごい曲を作って、人々にこう言わせたいんだ、「彼はただの俳優でもなければ、ただのミュージシャンでもない。彼は魔法のような瞬間を生み出すアーティストだ」。

今のシーンの残念なところは、フェスティバルでオーディエンスが反応するのは昔の曲ばかりっていうところだと思う。2年も前の曲ばかりなんだ。でも同時に、本当に優れた音楽はずっと残っていくと思うし、僕はそういうものを作りたい。それが僕にとっての目標かな。もちろんフェスティバルで大勢のオーディエンスの前でプレイしたいし、多くの人に自分の曲を聴いてほしいとは思うよ。でも僕が一番やりたいのは、すごい曲を作って人々にこう言わせることなんだ、「彼はただの俳優でもなければ、ただのミュージシャンでもない。彼は魔法のような瞬間を生み出すアーティストだ」。

Translation by MASAAKI YOSHIDA

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