ツェッペリン ジミー・ペイジ:セッションミュージシャン時代の名曲20選

Photo by Wilson Lindsay/Michael Ochs Archives/Getty


ジョニー・アリディ「すべてをぶちこわせ」(68年)

アリディは「フランスのエルヴィス」として売り出されたヨーロッパでもっとも有名なミュージシャンのひとりで、本作は68年にリリースされた。同年、彼は2枚のアルバムで全仏チャート連続第1位を記録。翌年も2枚のアルバムで第1位を獲得した。アルバム『ジュンヌ・オム』(『ヤング・マン』)の4曲目「すべてをぶちこわせ」は、激しくブルージーなサイケデリック・ブレイクダウンで、ペイジがヤードバーズ解散前にやろうとしたプレイにマッチしている。パンのかかったサウンド、エコー、ワウのかかったリックなど、ペイジが後年用いる重要なエフェクトとなる特徴的な要素がすべて盛り込まれた、驚異的なナンバーだ。


ジョー・コッカー「心の友」(68年)

68年、ヤードバーズの解散からレッド・ツェッペリンの結成までのわずかな期間、ペイジはイギリスのブルース・シンガー、ジョー・コッカーのソロデビュー・アルバム『心の友』のレコーディングのためセッションの世界へ再び戻ることにした。アルバム中5曲で見事な演奏を披露しているが、とりわけこの、ほぼ原形をとどめていないビートルズのカヴァーが秀逸だ。序盤からペイジはヴィブラートの効いたエレキギターのフィードバックを聴かせ、曲を通してコッカーの独特なシャウトを要所要所で盛り上げている。ペイジにとってはもうひとつの、コッカーにとっては2回のうち最初のナンバーワンヒットとなった。


P.J.プロビー「ジムズ・ブルース」(69年)

本作で特筆すべきは、ジミー・ペイジだけでなく、デビュー・アルバムのレコーディング前のレッド・ツェッペリンの全メンバーが参加している点だ。ペイジ、ロバート・プラント、ジョン・バーナムとニュー・ヤードバーズを結成する数カ月前、ジョン・ポール・ジョーンズはプロビーのアルバム『スリー・ウィーク・ヒーロー』でアレンジと演奏を担当していた。セッション当日、気乗りのしないジョーンズが、ためしに新バンドのメンバーにサポートを依頼すると、快諾したという。ペイジは、64年のトップ10ヒット「ホールド・ミー」でもP.J.プロビーと組んでいる。
キャリアの初期におけるセッションの多くとは異なり、本作では、レッド・ツェッペリンの作品にきわめて近いペイジのサウンドを聴くことができる。プラントのハーモニカのパートが加わり、スローでブルージーな本作は、ツェッペリンがカヴァーしたマディー・ウォーターズの名曲「ユー・シュック・ミー」と実に多くの類似点を有する。なお、本作のタイトルのジムは、ペイジではなく、プロビー(本名:ジェームズ・マーカス・スミス)のことである。

Translation by Naoko Nozawa

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