ガンズ・アンド・ローゼズのクレイジーな瞬間50選(後編):1989 ~ 2010年

1993年11月23日:ガンズ・アンド・ローゼズ、シークレット・トラックでチャールズ・マンソンをカヴァー

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アクセル・ローズは、アメリカで最も悪名高いサイコへの奇妙な親近感を常に示してきた。『ユーズ・ユア・イリュージョン』ツアーでは、しばしばマンソンの顔と“チャーリーはサーフィンしない”という文句がプリントされたTシャツを着ていた。しかし、カヴァー・アルバム『“ザ・スパゲティ・インシデント?”』のシークレット・トラックとして67年のマンソンの曲を追加したとき、彼は苦境に立たされた。この「ルック・アット・ユア・ゲーム・ガール」は皮肉にも、アルバム中数少ない穏やかな曲だ(ザ・デッド・ボーイズのカヴァー「エイント・イット・ファン」を参照のこと)。キャンプ・ファイヤーを囲むようなアコースティック・ギターとパーカッションだけで歌う、バンドのディスコグラフィーでも屈指のチルソングになっている。アクセルは後に、この曲がビーチ・ボーイズのデニス・ウィルソンによって書かれたものだと思っていたと主張した。また、「ルック・アット・ユア・ゲーム・ガール」の売り上げを環境保護チャリティーに寄付するという声明を出した。


1994年1月:スラッシュ、フォーシンズンズ・ホテルにピューマを持ち込む
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Photo by Marc S Canter/Michael Ochs Archives/Getty Images

落ち着いた生活に慣れるため、スラッシュはロサンゼルスに新居を購入し、そこで毒ヘビ、トカゲ、ネコ8匹、そしてカーティスと名付けたピューマを飼った。「そこに爬虫類園を作った」と彼は自伝の中で述懐している。「山ほどのヘビとその仲間だけの」 ― ノースリッジ地震が発生した際、スラッシュの自宅は大損害を被ったが、動物たちはすべて無事だった。彼はマリーナ・デル・レイのフォーシーズンズ・ホテルに避難し、カーティスをこっそり持ち込んだ。


1994年3月:エリン・エヴァリーによる告訴
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Photo by Slaven Vlasic/Getty Images

アクセル・ローズ最高のラヴ・ソング「スウィート・チャイルド・オブ・マイン」のモデルとなったエリン・エヴァリーは、夫婦の関係と短い結婚生活は悪夢のようだったと証言した。エヴァリーは、脅迫と性的暴行で元夫を告訴し、ローズが彼女の行動を監視するためにアパートのドアを全部取り払ったことなど、不穏当な詳細を暴露した。また、彼がレッド・ツェッペリンのドラマー、故ジョン・ボーナムの亡霊に取りつかれていて、「俺たちの前世はインディアンで、俺は子どもたちを殺した。だから現世で俺に復讐してる」と信じていたと申し立てた。この訴訟は示談で解決した。


1998年2月10日:アクセル・ローズ、空港警備員を恐喝した容疑で逮捕される
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Photo by Bill Turnbull/Getty

98年、数年の沈黙を経て、活動休止状態のシンガーが空港警備員を恐喝したとしてメディアを賑わせた。アクセルは荷物を点検されるのを拒み、「今ここでぶちのめしてやる」と脅迫したと伝えられている。彼の音楽的嗜好は当時、テクノやインダストリアル、フューチャーに傾倒していたが、昔のように逮捕された。ゲフィン・レコードの広報はMTVに対し、「アクセルのバッグの中には誕生日プレゼントが入っていて、その中には友達がくれたガラス細工もありました。警備員がバッグの中を調べる様子を見て、壊されてしまうと思ったのです」と反論した。


2000年3月:バケットヘッドのバラード
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Photo by Frank Micelotta/ImageDirect

リードギターの穴を埋めるため、チョッピングでも被り物でもスラッシュに匹敵するわかりやすい人物として、アクセルは、マスクとケンタッキー・フライド・チキンのバケットを被ったカルト・ギタリストのバケットヘッドとして知られるブライアン・パトリック・キャロルを採用した。バケットヘッドは、『チャイニーズ・デモクラシー』のレコーディングで、自分のパートはゴム製のニワトリでデコレーションした特注のニワトリ小屋で録音したいと主張した。アクセルのペットの子狼がニワトリ小屋で粗相をした時、バルクヘッドはフンの始末を拒否し、臭いがたまらなく好きだと言い切った。また、バルクヘッドはしばらくの間、小屋にテレビを持ち込み、ハードコア・ポルノを流し続けていた。これは、消えないオオカミのフンの臭いよりもはるかにアクセルを苛立たせたという。

Translation by Naoko Nozawa

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