アデル ロングインタヴュー(後編):子育て、ダイエット、そして『25』の制作秘話まで

Photograph by Theo Wenner


約1年半前、アデルはアルバムを作るのに十分な曲が出揃ったと感じたという。しかし彼女のマネージャーはより時間をかけるべきだと考えていたこともあり、『21』の制作においても様々なアドバイスを提供したリック・ルービンに意見を求めることになった。(『21』制作時、アデルはリック・ルービンが手がけたものを却下し、自身が作ったラフバージョンを押しきって採用したこともある)ルービンは自慢の髭を撫でながら耳を傾け、彼女にこう話したという。「もっと時間をかけるべきだろう」その曲群は、過去に彼女が書いたどの曲よりもライトなものばかりだった。「すごく耳に残るんだけど、深みのないポップスってあるでしょ?」彼女はそう話す。「実際そういう曲ばかりだったのよ」

「アデルは新しいアルバムを完成させ、人生の次のステップに進むことを恐れているように思えた」ルービンはこう話す。「時間がかかっても、彼女の声が求める音楽を見つけるべきだと伝えたんだ。一聴して、その曲群は彼女が書いたものでないことがすぐわかった。他のポップアーティストたちのために書かれた曲、そういう印象だった。1曲たりとも、彼女の歌声の魅力を引き出すことができていなかったんだ」

「はっきり言ってもらえて良かったわ」アデルは当時のことを思い出してこう話す。「彼にそう言われた時、私は自分が失望しているのかどうかもよくわからなかった。だから彼にこう伝えたの。『私は今自分を信じることができずにいるの。だからあなたに言われたことにも、決して驚いてはいない』って。彼女が焦りすぎているというのが、ルービンとディケンズの共通した意見だった。「『21』の次作なんだから、絶対に失敗するわけにはいかなかった。そしてまたゼロから曲を書き始めたの」

今年前半、アデルはアルバムを完成させるため、ロサンゼルスで2ヶ月を過ごした。ヒット請負人プロデューサー、マックス・マーティンとシェルバックとの共作である『センド・マイ・ラヴ(トゥ・ユア・ニュー・ラヴァー)』も、当時のセッションから生まれたものだ。彼女が数年前に書いたという、アフリカンテイストのギターリフを元にしたこの曲は、彼女のキャリア史上最もキャッチーな曲かもしれない。彼女がマーティンのことを知るきっかけとなったのは、テイラー・スウィフトの『アイ・ニュー・ユー・ワー・トラブル』だった。(彼女はこう語っている。「あの曲は彼女の新たな一面を引き出したと思うの」)彼女はマーティンが手がけた作品をYoutubeで聴き漁っていくうちに、彼がこれまでにイン・シンクやブリトニー・スピアーズ、そしてケイティー・ペリー等のヒット曲を手がけていることを知ったという。『センド・マイ・ラヴ』はアルバム中で唯一、『21』に登場する元カレとコネッキー以外の男性との別れを歌った曲だ。アデルはこう話す。「あんたのことなんかもうどうでもいいのっていう曲ね」


『ハロー』のミュージックビデオ撮影時のアデル Shayne Laverdière

Translation by Masaaki Yoshida

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