米ローリングストーン誌読者が選んだ「アクション映画」ベスト10

6位 『リーサル・ウェポン』



87年に『リーサル・ウェポン』の第1作が公開された当時、ダニー・グローヴァーはまだ41歳だった。にもかかわらず、グローヴァーが演じたのは引退間際の刑事だ。妻を亡くしてから自殺願望を持つようになった若い刑事(メル・ギブソン)とコンビを組まされ、ありとあらゆるトラブルに巻き込まれることになる。何しろ、その若い刑事は死ぬことなどまったく怖くないからだ。設定こそ陰鬱だが、リチャード・ドナー監督は同時に多くの笑いも引き出した。その絶妙な配分が、3本の続編を生む人気シリーズを作り出した。もっとも、『リーサル・ウェポン2/炎の約束』こそ傑作だったが、その後の2作の出来は芳しくなく、さらにメル・ギブソンがイカれた騒ぎを起こして以降は、新作の企画も消滅してしまった。


5位 『マトリックス』

『マトリックス』以前のキアヌ・リーブスといえば、『スピード』や『ビルとテッドの大冒険』に出ていた若い俳優だった。監督のウォシャウスキー兄弟(現在は、兄が性転換をし、ウォシャウスキー姉弟)はほとんど無名で、ごく一部の人が前作のレズビアン銀行強盗映画『バウンド』を知っているに過ぎなかった。しかし『マトリックス』の公開後、3人は、自分たちのキャリアに永遠に『マトリックス』の文字が刻まれたことを知る。99年、自分の生きている世界が仮想現実であったことを発見するコンピュータープログラマーを描いた『マトリックス』は、公開と同時に一種の文化現象となった。人々は本作を繰り返し鑑賞しては、当時まだ始まったばかりの電子掲示板やAOLのチャットルームに、映画の解釈に関する自説を書き込んだ。その後、2本の続編の公開まで4年の月日を待たなければならなかったが、今回の投票ではそのいずれも支持を集めなかったことを書き添えておきたい。


4位 『プレデター』

87年の映画『プレデター』のスタッフキャストは、まさにオールスターチームと言っていいだろう。キャストにはふたりの未来の米州知事(アーノルド・シュワルツェネッガーとジェシー・ベンチュラ)と、『ロッキー』のアポロ・クリードことカール・ウェザースがいた。そしてメガホンをとったのは、のちに『ダイ・ハード』と『ダイ・ハード3』という同シリーズ中の最高傑作2本を監督するジョン・マクティアナン。この布陣で駄作になるわけがなく、中米を舞台に、捕虜を救出する任務に就いた特殊部隊と肉食エイリアンの戦いを描いた本作は、素晴らしいの一言に尽きる。つまらない続編と、『エイリアン』とクロスオーバーさせた安っぽい派生作品をもってしても、その価値を貶めることはできないのだ。

Translation by Mari Kiyomiya

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