Illustration by Ryan Casey


15位 ブーフ『ザ・ハイドランジアズ・ウィスパー』


そのキャリアを通して、モーリス・フルトンは名義やスタイルを自在に使い分けながら、様々なタイプのダンス・ミュージックを発表し続けている。ストレス名義でのサルサにインスパイアされたディープハウス、妻と組んだユニット、ムー(Mu)名義でのノー・ウェイヴにも通じるエレクトロクラッシュ、そしてサイクロプス名義でのサイケデリックなジャズなど、そのクリエイティビティはとどまるところを知らない。ブーフ名義での4枚目となる今作では、上記の音楽性を全て飲み込み、また新たな試みも多く見られる。ダンスフロアを直撃するミニマル・テクノ『ソーラー・エクリプス・オン・ア・フライデー・モーニング』、(マーク・ロンソンの)『アップタウン・ファンク』を1人で演奏したかのような『ビルギット・ブギー』、バレアリック調のダンス・トラック『イントロ・トゥ・イッツ・サニー・S・アウトサイド』、そしてジャズを思わせる『テイク・ファイヴ』など、ジャンルの壁を軽々と飛び越えるフルトンならではの1枚だ。(A.Beta)


14位 コンテナー『LP』


昨年『アドヒーシヴEP』で注目を集めた、ロード・アイランド出身のテクノ・プロデューサーが発表した7曲入りのフルアルバムは、90年代初頭のマイアミ・ベース・サウンドにマッドハニーのエフェクター群を通したようなサウンドが特徴的だ。カセットを好むアンダーグラウンド界隈には、ノイズ・パンクや世にも奇妙なビート・ミュージックが溢れかえっているが、ドラムマシン/シーケンサーのMC-909、2つのディレイペダル、そして4トラックレコーダーのみを使って生み出されるコンテナーの楽曲には、マッド・ディーセントのアーティストたちにも負けないほどタフなグルーヴが宿る。煙を上げる鉄板のようなサウンドの『LP』は、ザ・バグの『プレッシャー』に対するアメリカからの返答だ。(C.W.)


13位 ノジンジャ『ノジンジャ・ロッジ』


南アフリカ出身のノジンジャは、アフリカの伝統的なリズムやサウンドとエレクトロニックなビート、そしてコンテンポラリー・ダンスをミックスした、シャンガーン・エレクトロと呼ばれる音楽のオリジネーターだ。ワープからの1枚目となる本作で聴ける、メジャー・キーを多用したアップテンポでエキゾチックなサウンドは、同レーベルに在籍する多くのエクスペリメンタルなプロデューサーたちの作品と共通する部分も少なくない。『ベイビー・ドゥー・ユー・フィール・ミー』で聴くことができる、ピッチを上げたコミカルなボーカルと、IDMを思わせるせわしないビートは、オウテカやエイフェックス・ツインの音楽にも通じる部分がある。他にもコール&レスポンスを繰り返すボーカルや、ハウスを意識したかのようなビートなど、ユニークなアイディアに満ちた作品だ。(A.C)

Translation by Masaaki Yoshida

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