日本随一のロック・フォトグラファーが撮ったロックスターたち:ビートルズ、ストーンズ、U2ほか


photo: Koh Hasebe

ザ・ビートルズ(1965年 ロンドン)

そんなに時間を割いてもらえないだろうと思っていましたが、意外にも彼らは歓迎してくれました。日本人に会うのは初めてだったんですね。ザ・ビートルズは当時アメリカでブレークしていましたが、アジアでは無名だったので、ミュージック・ライフ誌からの誘いに大乗り気でした。好きなだけ写真を撮って構わないと彼らは言ってくれました。オープンな映画スターは珍しいですが、ザ・ビートルズは実にフレンドリーで、私たちに興味津々でした。彼らはセレブ界のニュータイプでした。アプローチが違いました。そのころ、日本でも同じ現象が起きていて、スリーファンキーズというコーラスグループが出てきていました。おかげで、ザ・ビートルズに対する私の第一印象はとてもいいものでした。(長谷部宏)



ジミ・ヘンドリックスと長谷部宏(1967年 ロンドン)

イギリスの音楽誌主催のイベントがありまして、そこの編集者が撮影のチャンスだから来たらどうだと言ってくれたんですが、私は誰が来ているのかも知らなくて。ジミ・ヘンドリックスのことは知りませんでしたが、「彼はすごい有名人だから一緒に写真を撮らせてもらえ」と編集者が言うんです。私は「いいよ、そんな」と思ったんですが、押し切られまして。ジミはとても物静かな人でした。後にコンサートで彼のワイルドなパフォーマンスを見たとき、同一人物とは思えませんでした。(長谷部宏)

Translation by Naoko Nozawa

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