イーグルスの人気ソング・ベスト10

photo:(Gijsbert Hanekroot/Redferns/Getty)


3. 「テイク・イット・イージー」

世界で最も成功したロックスターとして台頭することになる数年前、ジャクソン・ブラウンとグレン・フライはロサンゼルスのアパートに同居しながら、ソング・ライティングに苦闘していた。ある日2人がブラブラしていた時、ブラウンはフライに、なかなか完成できない曲のスケッチを聴かせた。フライはこれを気に入り、是非とも完成させるべきだと勧めたが、結局自分で仕上げることになる。その結果生まれたこの曲は、イーグルスのデビュー・アルバムの1曲目に収録され、かつ初めてのヒットシングルとなった。この曲のおかげでカントリーロック自体も有名になった。その後彼らがどれほど成功しようとも、この曲はいまでもファンに最も愛されている曲の1つであり続けている。


2. 「ならず者」

イーグルスのデビュー・アルバムの予期せぬ成功は、彼ら自身にとってもショッキングなことだった。「本当にテンパったよ」とドン・ヘンリーは振り返る。「だからこそ、(次のアルバムとして)『ならず者』を作ったんだ。カーボーイをメタファーにしたこのアルバムが、名声と成功という悪魔に対する、僕たちなりのアーティスト・ステートメント(どのような目的や動機で作品を制作しているかを説明する文章のこと)になってくれると思った」。これはダルトンのカーボーイ・ギャングをめぐる緩いコンセプトアルバムとなっており、そのタイトルトラックは、流浪の人生の孤独を嘆くものとなっている。この曲はシングルカットされていないものの、バンドの旧友であるリンダ・ロンシュタットが1973年にカヴァーし、広く知られることとなった。もう40年以上も、この曲はイーグルスのコンサートで毎回演奏されており、しばしばトリの1曲にも選ばれることもある。


1. 「ホテル・カリフォルニア」

この曲ほど、歌詞が分析され続けているポップソングはないだろう。40年前にリリースされて以来、歌詞1行1行の解析に血道をあげるファンはあとを絶たない。「スティーリー・ナイフ」というのはスティーリー・ダンへのあてつけだろうか?「コリタス(colitas)」っていったい何のことだ?曲全体が実は悪魔のことを歌っているのではないのか?ドン・ヘンリーはひょっとしてワインが蒸留酒(スピリッツ)でないことを知らないのでは?
プレーン・ディーラー紙の評論家ジョン・ソーダーは、2009年に最後の疑問をドン・ヘンリーにぶつけているのだが、その時点ですでにヘンリーは「ホテル・カリフォルニア」についてあれこれ聞かれることへのフラストレーションを隠そうとすらしていない。「歌詞を完全に誤解して、メタファーをまるで理解できていないのは、別にあんたが1人目じゃないんだよ」とヘンリーは語っている。「いいかい、僕はありとあらゆるアルコールを飲んできたし、それがどんな風に作られているのかも、どんな風に呼ばれているのかについてはちゃんと知ってる。この歌詞はアルコールとはなんの関係もなくて、社会政治的な意見表明なんだ。私に唯一、後悔することがあるとすれば、こんなことをクドクドとあんたに説明しないといけないことなんだね。だってそれって、ソングライティングにおける文学的な仕掛けが失敗していて、議論が全く無関係でアホらしい化学変化の話にレベルダウンしているということだからね」
 誰もがもっと知りたいと思うような曲を書くのはけして簡単なことではない。この曲はもともとドン・フェルダーが持ち込んだデモ曲で、これをドン・ヘンリーとグレン・フライが肉付けして完成させた。フェルダーはいまでもこの曲を自慢しているが、2000年以降、フェルダーがイーグルスとしてこの曲を演奏する機会は一度もない。彼らの泥沼決裂は裁判沙汰にもなっており、ドン・ヘンリーなどはいまだにインタヴューで、「ミスター・フェルダー」としか呼ばない。ファンは再結成を望んでいるのだが、それだけは実現しそうにない。

TRANSLATION BY KUNIAKI TAKAHASHI

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