50代に突入して、ますます意気盛んなポール・ウェラー。『ソニック・キックス』ではエレクトロニックなサウンドに挑戦していたが、今回もその実験性は残り香のように漂っている。さまざまなエフェクトを効かせたサウンドのなかを駆け抜けて行く、強靭なロックンロールのグルーヴ。思いつくままにアイデアを試しているようなところがあって、そのサイケデリックな装飾が混沌としたパワーを生み出すこともあれば、余計な厚化粧に感じたりする瞬間も。とはいえ、枯れることを拒み、狂い咲きしたようなギラギラしたサウンドには不滅のモッズ魂が息づいている。

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