デビュー10周年を迎えるシンガー・ソングライター、北村早樹子による初めてのベスト盤。デビューアルバムから最新シングル曲まで、キャリアを一望できる選曲に加えて、新曲2曲も収録。ピアノの弾き語りに中心にした歌は、童謡のような無垢さと毒気が同居していて、かわいいポーチの中に位牌を隠し持っているような油断ならないものがある。白石晃士監督作『殺人ワークショップ』の主題歌「卵のエチュード」を含め、映画主題歌が2曲も収録されているあたりは、クリエイターの想像力を刺激する彼女の歌の魔性の力のなせるワザだろう。

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