チェロ奏者にしてシンガー・ソングライターのラッセルは、無名なまま1992年にエイズで他界したが、21世紀に入って脚光を浴びている。このカバー集2枚組は、そんな彼の全貌を捉えようとする大胆な作品。ロビンやホット・チップがラッセルのディスコ・ミュージックを歓喜もろとも再現すれば、デヴェンドラ・バンハートやフォスフォレッセントがそのバラードに秘められた“穏やかな心”を見出す。極めつけはホセ・ゴンザレス、ブラッド・オレンジ、ザ・リヴァイヴァル・アワーの各ヴァ―ジョンで、哀愁を帯びながらも、ポップでダンサブル。まるでラッセルそのものだ。

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