2010年のデビューアルバム『ファミリアル』で心地よいフォークソングを披露したフィリップ・セルウェイ。この2枚目のソロアルバムも、その延長線上にある。ソフトで哀愁を帯びたサウンドは時折、彼がドラマーを務めるレディオヘッドを彷彿とさせる。歌詞は暗い未来を想像させるものが多いが、セルウェイのかすんだテノールは、“それほど病的ではないトム・ヨーク”といったところで、安心感がある。“涙で終わるだろうが僕は後悔しない”といった、ふさぎ込んだようなピアノ・バラードを歌っている時でさえ、そのヴァイブはかなりフレンドリーなものだ。

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