鮮烈なデビュー・アルバム『耳鳴り』(2006年)、圧倒的クオリティでシーンをねじ伏せたセカンド・アルバム『生命力』(07年)に続く、チャットモンチーの最新作。徳島出身の女子3人組が鳴らすロックは、どの曲もストレートに心に届く。オープニングの「8cmのピンヒール」は、バンドがこれまで培ってきたものすべてが詰まっている曲。ドラマティックで切なくて、かつポップ。かつて、くるりの岸田 繁に“彼女らはずるい”と言わしめたとおりの、高い完成度を誇っている。シングルで先行リリースされた「ヒラヒラヒラク秘密ノ扉」「風吹けば恋」「Last Love Letter」は、いずれも名曲の域。いったいどこまで進化するのか……空恐ろしいほどの出来栄えである。メジャー・デビューから3年余で、シングル10作、アルバム3作という驚異的ペース。曲が溢れ出て止まらない、そんな彼女たちの現在を映し出す作品である。

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