オルタナティヴ・カントリー界を代表する歌姫。アメリカ生まれのカナダ人の彼女は、以前はパンク・バンドのドラマーだったことからもわかるように、その清涼な歌声の奥底には熱いエネルギーの塊が横たわっている。聴き手の感性を掻き立てる力強いヴォーカルは、ロック史に残すべき美しい芸術品といっても過言ではない。3年ぶりの最新作には、ロス・ロボス、キャレキシコ、ザ・バンドのガース・ハドソン、ジャイアント・サンドほか、豪華なゲストが参加。カナダとアメリカでレコーディングされた。ニーコ曰く「ピアノ・オーケストラ」と称する本作のサウンドは、ギター、ベース、ピアノ、バンジョーらの奏でる壮麗なハーモニーとメロディが印象的だ。どこか室内楽的な優しい響きを放っていて、ドラマティックすぎないところもいい。あくまでも等身大のアプローチで、手作りの香りがふんわりと漂うところが素敵なのだ。

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