こんなに歌がひっこんだシンガー・ソングライターの作品もそうないだろう。しかし、その声がもっと前に出ていたら、歌い手の毒を孕んだ気にあてられていたかもしれない、とも思う。場を一変させる存在感である。聴いていると胸が痛くなる鋭い棘があり、それでもなお惹きつけられてしまうような危い魅力がある。“音楽は魔法ではない”と呪文のように繰り返し言う「音楽を捨てよ、そして音楽へ」は聴き逃してはならない。

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