本人ですらコントロールできないほど肥大化していった、活動後期のゆらゆら帝国。その中心人物である坂本慎太郎の初のソロ・アルバムには、バンドの発展形とも言えるミュータント・ディスコから、サックスが印象的なブルー・アイド・ソウル、女性コーラスを従えたベッツィ&クリスのような和製ソフト・ロックまで、意外なほど肩の力の抜けた楽曲が並んでいる。どこか向田邦子のドラマ挿入歌のような親しみやすさもあって、幽霊がお茶の間に紛れ込んでいるような、シュールな感覚に襲われる傑作だ。

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