80年代からモダンでレトロなポップロックをスタイルとして追求してきたザ・スミザリーンズ。バンドは常にそのインスピレーションの源に、60年代にアメリカで爆発的に流行したイギリス発のビートロックの数々があったことを臆面もなく認めている。そして、ここでザ・スミザリーンズは、そのことをさらにあけすけに認めてみせる。そう、この作品は、ビートルズのアメリカ本格デビューとなったアルバムへのトリビュート。さして重要ではないかもしれないけれども、非常に楽しい1枚なのだ。というわけで、これはビートルズの『ミート・ザ・ビートルズ』の完全コピーアルバム。オリジナルのアレンジにも限りなく近づこうと迫っていて、「抱きしめたい」の手拍子までそっくり。ギターに勢いをつけるなどして、43年前のサウンドを再現しつつ、まったく新しく響かせるところはスゴい。

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