限りなく聴きやすく魅力的なジャズヴォーカル――ファーストアルバムが世界的なベストセラーとなり、グラミー賞にも輝いたノラ・ジョーンズ。その路線をキープした前作のアルバム『フィールズ・ライク・ホーム』ではジャズっぽさも薄れ、どこか物足りない印象があった。今回は共作という形で初めて全曲の作曲を手がけるという、それなりの果敢さもみせている。歌詞の完成度という点では、これまで一緒に作品を書いてきたどのライターよりもヒネリを効かせた歌詞を書けることを証明した。そして、やはりポップ界で最強のヴォーカリストなのだと感じさせる情感はすごい。彼女の最大の魅力はこの甘いメランコリックな声。それに惑わされなければ、今回の歌詞の微妙なニュアンスも聴き分けられるはず。

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