Paradise for Jet Sets|東京スカパラダイスオーケストラ

By RollingStone Japan 編集部

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結成22年目を迎えた東京スカパラダイスオーケストラ。
来る8月3日にミニ・アルバム『Sunny Side of the Street』をリリースする。
7月から始まるヨーロッパツアーを控えた彼らの“今”を探るため、6月23日、Zepp TOKYOでのライヴ前に楽屋を訪れた。

5月からスタートした、スカパラの全国ツアー『STANDING TOUR “HEROES”』のファイナル、Zepp TOKYO。生身の人間9人が汗ダクで奏でるスカはリアリティがあった。震災後、インターネット上で共有された情報やメッセージの数々。すべてが隣で起こっているような感覚に陥り、自分の居るべき場所と被災地との距離感がわからなくなっていた。そんな日常を覆うリアリティの欠如がスカパラのステージを観て一蹴された。

インタヴューには谷中 敦と加藤隆志が応じてくれた。ライヴの感想を言うと谷中が「結局、“人と会う”ってことが大事なんだよ。みんな気持ちまで節電モードになってしまって、外で人と会って騒ぐのを自粛してる人もいるけど、会って話したほうが絶対にいい。インターネットの情報を友達に送るだけじゃ、気持ちまで共有できないよ」と答えてくれた。加藤も続く。「ライヴで人と会って、エネルギーの交換をしてる。でも今回のツアー前、正直不安だった。エネルギーの交換っていうけど、“オレのエネルギーの源はどこにあるんだ?”って。それがツアー前の4月、メキシコのフェスに出て生まれたんだ」

加藤だけではなくメンバー全員の糧になったというメキシコのフェス。3万人のオーディエンスが「TOKYO! TOKYO!」の大合唱でスカパラを迎え、熱狂のステージへ。谷中がスペイン語で「日本の為に祈ってください」と語りかけると歓声は頂点に達したという。加藤は現地メディアの取材を受け驚いたらしい。「スカパラは、スカタライツやスペシャルズと同じ並びなんだ。スカの歴史の中のオリジナルな存在。20年間日本でスカをコツコツ鳴らしていたら、地球の裏側にまで届いてたんだよね。うれしかった」

このインターネット全盛期、音楽が国境を超えること自体は難しくない。ただそれだけにオリジナルと評価されるのは難しい。「単純だよ。僕らウソなく必死にやっているから、オリジナリティが出ちゃうんだ」と谷中が答えてくれた。

さて、スカパラの新譜『Sunny Side of the Street』。1曲目「All Good Ska is One」がご機嫌だ。作詞は谷中。「この詞は珍しく説明は不要。僕らはスカで世界とつながっているんだよ」と満面の笑顔だ。「少し前まで、ネガティヴな要素でつながっていることもあったけど、それってもう飽和状態。これからはポジティヴでつながらないと。そのためには……スカだよね」と加藤。この曲、スカ界の「イマジン」だと思う。この曲のヴォーカルはアンジェロ・ムーア(フィッシュ・ボーン)。8月6日の自主フェス、「トーキョースカジャンボリー Vol.3」にも出演する。

「この曲を一緒に演奏するんだけど、そこでまた新しい何かが生まれ、共有されると思うんだ」と加藤は言う。まるでスカはエネルギーの永久発電のようだ。「電気と一緒で人間のエネルギーも蓄電できない。だから自分ひとりで抱えていても消耗するだけ。それを人に与えればいい。そうすれば、社会の中にエネルギーが充満する。貯められないけど、人に渡して充満させることはできるはずだよ」と谷中が締め括ってくれた。

東京スカパラダイスオーケストラ

今年、デビュー22年目を迎えた日本を代表する9人組スカバンド。その活動は国内にとどまらず、世界各地でライヴを行うなど、日本のスカシーンを牽引する存在である。来る8月3日には、最新ミニ・アルバム『Sunny Side of the Street』をリリース。また、7月からは恒例のヨーロッパツアー全11公演へ。そして8月6日にはスカパラ主催の「トーキョースカジャンボリー Vol.3」を開催。
http://tokyoska.net

blog_skapara_002 『Sunny Side of the Street』
カッティングエッジ
8月3日発売


Text by Joe Yokomizo
Photographs by Saiko Nishimura for SELF:PSY’S

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