追悼チャーリー・ワッツ ストーンズとの「最後のパフォーマンス」を振り返る

チャーリー・ワッツとローリング・ストーンズの面々

8月24日に亡くなったチャーリー・ワッツを追悼。雨に濡れた「サティスファクション」は、彼が58年間在籍したストーンズにおける最後の瞬間だった。

【動画を見る】チャーリー・ワッツ、最後のステージで演奏した「サティスファクション」

チャーリー・ワッツが亡くなった。信じられないほど悲しいニュースが世界中に響き渡っている。彼は手術を受けていたため、次のストーンズのツアーに参加できないことは発表されていたが、80歳のドラマーは過去の健康問題を無傷で乗り越えており、その肉体は鋼でできているかのようだった。

チャーリーは1963年1月にローリング・ストーンズに加入。ミック・ジャガーとキース・リチャーズ以外のメンバーでは唯一、すべてのレコードに参加している。また、58年の歴史のなかで一度もコンサートを欠席することはなかった。最後に行われたのは2019年8月30日、マイアミのハードロック・スタジアムでの公演。当初は翌日の夜に開催予定だったが、ハリケーンが同州に向かって猛威を振るっていたため、バンドは一晩前倒ししたのだった。

当日は「ホンキー・トンク・ウィメン」「スタート・ミー・アップ」「ブラウン・シュガー」といった定番ヒットから「アウト・オブ・コントロール」「デッド・フラワーズ」「スウィート・ヴァージニア」など通好みの曲を織り交ぜる、「ノー・フィルター」ツアーのスタンダードなショーが披露された。そして、最後はもちろん「サティスファクション」で締めくくられた。この時点で雨が降っていたが、ストーンズは物ともしなかった。もちろん、チャーリーは相変わらず平然としていた。

この夜、マイアミにいた誰もが、ストーンズの歴史の大きな一章が終わる瞬間を目撃しているとは思わなかっただろう。バンドは今月初め、9月26日のセントルイス公演で幕開けするツアーで、ワッツの代役をスティーブ・ジョーダンが務めることを発表した。もし無事に開催されたら、それはチャーリーに捧げる通夜となるだろう。ストーンズは2022年に60周年記念ツアーを計画しているという噂もあったが、チャーリーが亡くなった今、彼らは同じバンドではなくなってしまったことを認めざるをえないだろう。

From Rolling Stone US.

Translated by Rolling Stone Japan

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE