BABYMETAL、光と闇を体現した幕張ライブ完全レポ

BABYMETAL(Photo by Taku Fujii)

BABYMETALがニューアルバム『METAL GALAXY』を携えたワールドツアーの一環として、『METAL GALAXY WORLD TOUR IN JAPAN EXTRA SHOW「LEGEND - METAL GALAXY」』と題したライブを1月25日、26日の2日間にわたり幕張メッセ国際展示場にて開催した。

昨年9月からスタートしたこのワールドツアーでは、11月にブリング・ミー・ザ・ホライズンをスペシャルゲストに迎えた日本公演をすでに行なっているが、今回はサブタイトルからもわかるように11月の公演とは異なる特別なものになることが事前から予想された。

各日2万5000人、2日間で約5万人の動員を記録したこのライブは、とにかくすべてにおいて“破格”という言葉がふさわしい、まさに伝説級の2日間だった。ライブ初日、まず開演してから驚いたのは、ステージに設置されたスクリーンの大きさだろう。先の11月公演もかなりの大きさに驚愕したが、今回はその比ではない巨大さで、筆者が観たさいたまスーパーアリーナ公演のステージセットを全体的に1.5倍ほど大きくしたような印象を受けた。なので、オープニングに上映された映像の壮大さにまずは度胆を抜かれたわけだ。

ライブの序章といえるこのオープニングムービーでは、BABYMETALが持つふたつの側面……“LIGHT SIDE(光の世界)”と“DARK SIDE(闇の世界)”に触れられ、この日は“LIGHT SIDE”にスポットを当てた構成になることが明らかに。そして新作『METAL GALAXY』のオープニングを飾るインスト「FUTURE METAL」が爆音で流れ始めると、2万5000人のオーディエンスから一斉に歓声が湧き上がる。そのまま「DA DA DANCE (feat. Tak Matsumoto)」へと続くと会場中にまばゆいレーザーが飛び交い、ステージにはSU-METAL(Vocal & Dance)とMOAMETAL(Scream & Dance)そして、サポートを務める“アベンジャーズ”のひとりがステージに姿を現し、アグレッシヴなダンスとSU-METALの力強くも伸びやかな歌声で観る者を魅了。「Elevator Girl」では上下に動くステージで、真剣な中にも時折笑みを浮かべるメンバーの姿に心を奪われる。さらに「Shanti Shanti Shanti」ではサイケデリックな映像を背に、息の合ったキレキレのダンスで会場の熱気をどんどん高めていった。


Photo by Taku Fujii

先にも触れたように、とにかく巨大なスクリーン(ステージの幅に合わせた巨大な長方形1枚と、その左右に設置された2枚の計3枚)に映し出される映像は、どんな言葉にも代え難いほどの凄みを放っていた。あるときは壮大な宇宙が描かれ、まるで観客が本当に宇宙旅行をしているような錯覚に陥り、あるときはメンバーの美しい表情がドアップで表示。またあるときには、「Shanti Shanti Shanti」のようなサイケなアートが巨大な画面で展開され、否が応でも別世界へとトリップしてしまう。そんな中、初日で特に強烈だったのが「Oh! MAJINAI (feat. Joakim Brodén)」の映像に登場したヨアキム・ブローデンだろう。ヨアキムはBABYMETALとの共演経験を持つスウェーデンのパワーメタルバンド、サバトンのフロントマン。同曲ではヨアキムが力強いヴォーカルを聴かせてくれるが、この日はヴォーカルパートのみならず映像でも華を添えた。が、その方法が常軌を逸するもので、曲に合わせて踊るヨアキムがどんどん増殖してくのだ。その様をあの巨大なスクリーンで目にするのだから……少々コミカルで朗らかな楽曲ながらも、観た者の脳裏に強烈なインパクトを残す結果となった。


Photo by Taku Fujii


Photo by Taku Fujii


Photo by Takimoto “JON” Yukihide


Photo by Taku Fujii

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