ジョニー・デップ、M・ジャクソンの手袋のミュージカルをプロデュース

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スパンコールを散りばめたマイケル・ジャクソンの白い手袋が語り手となってキング・オブ・ポップの生涯を語るというミュージカル『For the Love of a Glove』を、ジョニー・デップがプロデュースすることが明らかになった。2020年1月に米カリフォルニア州ロサンゼルスで初上演予定だ。

近日上演の“非公式”ミュージカルでは、キング・オブ・ポップのアイコンともいえるスパコールの手袋の視点を通じてジャクソンの生涯が描かれる。この企画の突飛さに加え、プロデューサーを務めるのは、なんと俳優のジョニー・デップ。同作は、2020年1月25日に米カリフォルニア州ロサンゼルスでデビューを飾る。

映画監督・脚本家のジュリアン・ニッツバーグが脚本を手がけた『For the Love of a Glove: An Unauthorized Musical Fable About the Life of Michael Jackson, as told by his Glove(手袋の愛:マイケルの手袋が語る、マイケル・ジャクソンの非公式の物語))』は、当初はオーソドックスな伝記映画の予定だったが、ジャクソンに向けられた性的虐待疑惑によって物語の焦点を変更せざるを得なくなった。

「僕には、数多くの伝記映画の脚本を執筆した実績がある。ある大手テレビ局からジャクソンに関する映画の脚本の執筆を打診されて……でも、子供たちへの性的虐待疑惑をどう描けばいいのか? という問題に突き当たったんだ」とニッツバーグはエンターテイメントニュース専門のPage Six誌に語った。

「だから、僕はこんなことを提案した。ジャクソンに向けられた疑惑のすべては、手袋が原因だった、という設定はどうだろう? ってね。その手袋はじつは宇宙人で、バージンの少年の血を餌にしてるんだ。テレビ局からは大笑いされて、ノーマルバージョンでお願いできないかな? と言われたよ」伝記映画の企画が頓挫したあとも、ニッツバーグはこの風変わりなアイデアを温め続け、ついには伝記ミュージカルの脚本を完成させた。

ミュージカル化が決まった同作の資金を確保するため、ニッツバーグはジョニー・デップが設立した制作会社Infinitum Nihilを頼った。実現しなかったものの、ニッツバーグは同社のために1960年代に活躍した歌手・俳優のタイニー・ティムの伝記映画の脚本を執筆したことがあったのだ。

「マイケル・ジャクソンを操ってはスキャンダルを起こさせ、彼の名声を失墜させた不思議な力の探求」と解説された『For the Love of a Glove』では、語り手役の手袋が歌も披露する。Page Six誌がさらに報じたところによると、同作には人形バージョンのジャクソン5、俳優のコリー・フェルドマンとダニー・オズモンド、さらにはジャクソンが愛したチンパンジーのバブルスも登場する。

今回のミュージカルは、キング・オブ・ポップをめぐる別の非公式プロジェクトを連想させる。そのプロジェクトとは、映画化されていない脚本を対象としたブラックリスト賞を2015年に受賞した、バブルスの視点を通じて描かれたストップモーションアニメだ。同作は、映画監督のタイカ・ワイティティと配給元のNetflixがプロジェクトから降板して以来、中断している。さまざまな都市伝説を再現するイギリスのシリーズ番組『Urban Myths(原題)』はジャクソンを描いた同じく非公式のエピソードを放送したが、間もなく該当エピソードの放送を中止した。

この度の非公式ミュージカルのみならず、ブロードウェイミュージカル『MJ: The Musical(原題)』や、映画『ボヘミアン・ラプソディ』のプロデューサーによる先日発表された伝記映画など、マイケル・ジャクソン・エステート公認のプロジェクトもいくつか進行している。



Translated by Shoko Natori

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