メタリカのカーク・ハメットが、1930年代のホラー映画を愛する理由

メタリカのカーク・ハメット(Photo by Mariano Regidor / Shutterstock)

メタリカのカーク・ハメットはホラー映画関連のグッズ収集家として、30年以上にわたりコレクションを続けている。サザビーズが行ったハメットの最新インタビューでは、自身とホラー作品の歴史について語っている。サザビーズはボリス・カーロフ主演の1932年の映画『ミイラ再生(原題:The Mummy)』の宣伝に使われた非常にレアなポスターのオークションを開催する予定だ。

エドガー・アラン・ポーのゴシック小説、モンスター雑誌、ホラーコミックが子どもの頃から大好きだったというハメット。音楽に夢中になっても、彼が演奏する音楽スタイルは子どもの頃に好きだったホラー作品の延長線上にあったという。そして、サザビーズのビデオの中では「ダークで恐怖心を煽るようなマイナーキーのプレイをすることが多い。子どもの頃に見たホラー作品の影響を受けていると断言できる」と語っている。

また、ハメットはビデオの中で『ミイラ再生』に対する愛着についても語っており、この作品が自分のポスター収集を刺激した経緯を説明する。「1920年代から1953年頃までのポスターは本当に素晴らしい。ロマンチックな雰囲気がある。(中略)基本的に『ミイラ再生』はホラーというテーマで包まれたラブストーリーだ。だからポスターもロマンチックな出来事や主人公たちの交流をベースにデザインされているのさ」と。

大金をはたいてもこの『ミイラ再生』が欲しいというホラー映画愛好家はサザビーズのオークションに参加できる。オンラインでの入札が終了するのはハロウィン当日(10月31日)の米国東部標準時間の正午だ。サザビーズは1ドルから150万ドル(約1億7000万円)の間で落札されると予想しており、史上最高値の映画ポスターになる可能性を秘めている。

2017年にハメットのコレクションが米マサチューセッツ州セイラムにあるピーボディ・エセックス博物館に展示され、その後カナダのトロントにあるロイヤル・オンタリオ博物館に貸し出された。自身のコレクション展示について語ったローリングストーン誌のインタビューで、今回サザビーズのオークションに出品されたポスターについて語っている。

「1930年代、40年代に作られたホラー映画とはいえ、必ず恋愛の対象となる役柄が登場する」と、ハメットが説明する。「その点をフルに活かすために、映画ポスターにもロマンチックな情趣を取り入れていたんだ。そしていつも『それが現実となる』や『千年生き続けた情熱』のようなキャッチフレーズが付いていた。ストーリーには恋愛や、少なくともロマンチックな要素が必ずあった。だから30年代の映画ポスターにはその要素が見て取れるんだ」



Translated by Miki Nakayama

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