森川葵が感じたコマ割りならではの感情表現 『このマンガがすごい!』松江監督が聞く収録舞台裏

『このマンガがすごい!』 写真左が森川葵、右が蒼井優 ©「このマンガがすごい!」製作委員会

ドキュメンタリードラマ『このマンガがすごい!』第3回のOAでゲスト出演したのは映画・ドラマ・舞台など幅広い分野で活躍する演技派俳優、森川葵。自らが選んだ実写化したい漫画『NHKにようこそ!』の出来上がりはドラマでたっぷりと楽しんでもらうとして、Rolling Stone Japanでは監督の松江哲明監督が森川にインタビューした記事を特別にお届けする。

今回の漫画は、過去にアニメ化もされた『NHKにようこそ!』。大学中退で無職の主人公・佐藤達広を、ひきこもりから脱却させる美少女、中原岬役に森川が挑戦した。

ー森川さんは漫画原作の実写作品に出る機会も多いですが、漫画の実写化についてはどう思いますか?

森川:今回だったら岬ちゃんという既に存在するキャラクターを自分なりに解釈して、咀嚼して、役作りをしていく。あと「このコマと次のコマの間はどういう動きをしてるんだろう?」「この絵はどういうアングルなんだろう?」と想像を働かせなくちゃいけない。漫画を目で見てるときは理解できたのに、実写化しようとすると成立しないものって意外にあるんです。そういう面白さを『このマンガがすごい!』では初めて実感できたというか、普通に実写化したドラマや映画にはない部分だなと思いました。

ー今回演じてみて印象深かったコマ(カット)ってありますか?

森川:全体を通して不思議な感じでした。コマが変わると感情がつながらないというか、バラバラな感覚で。でも腐ったミカンを振り回しているシーンを撮影しているときに、なんとなく雰囲気が分かってきて、私の中の岬ちゃん像が出来上がってきました。

ー撮影では感情をつなげようとしてましたよね。

森川:はい。いつもの演技のようにやってみたんですけど、監督が「つながっていないほうが面白い」っておっしゃってくれたじゃないですか。たしかに実写ドラマとは異なり、今回はコマ割りで見せていく作品だから、バラバラのほうが逆にいいのかもしれないって思ったんです。そもそも岬ちゃんの感情の変化もリアルなものじゃないですし。

ー『NHKにようこそ!』はそういう漫画なのかもしれないですね。岬ちゃんの奔放さや、コロコロと人格が変わる感じが、主人公の佐藤くんを翻弄してるんだなと。

森川:そうですよね。

ー演じるときには何か思い浮かべたりとかするんですか?

森川:いえ、漫画の実写化のときは作品に描かれてることを参考にすることが多いです。コマに表現されてるものを自分のものにしていくというか。

ー原作の滝本竜彦先生とお会いしましたよね。

森川:滝本先生が「岬ちゃんっぽい」って言ってくださったじゃないですか。私はどちらかというと佐藤くん寄りの人間で、自分の中に岬ちゃん的な要素はないと思っていて。でも実際にやってみたら、そういう部分があったんです。だから先生の言葉があらためて理解できましたし、今回の映像を先生が見てどんな感想を抱かれるのか楽しみです。

Interviewed by Tetsuaki Matsue


ドラマ25『このマンガがすごい!』
毎週金曜24:52~25:23
テレビ東京、テレビ大阪ほかで放送

監督:松江哲明
オープニングテーマ:アンジュルム「タデ食う虫も Like it!」
エンディングテーマ:前野健太
出演:
蒼井優、ゲスト出演:新井浩文と山本浩司、神野三鈴、塚本晋也、でんでん、中川大志、東出昌大、平岩紙、森川葵、森山未來、山本美月(五十音順)

【番組公式HP】 http://www.tv-tokyo.co.jp/konomanga/
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