渡辺大知が語る、黒猫チェルシー活動休止と人生を変えた3つの出来事

Takanori Kuroda | 2018/10/11 12:00

| Rolling Stone Japan vol.04掲載/Coffee & Cigarettes 06 | 渡辺大知(Photo = Tsutomu Ono) |


演じるときは、自分を俯瞰で見られないとダメなんです。
失恋してからは、自分は求められてない状態が前提になった。
“求められてない。じゃあ、何をする?”に思考が変わりました。
心は痛みましたけど、いい経験です。


1990年8月8日、兵庫県神戸市に生まれた渡辺。高校時代に出会ったメンバーと黒猫チェルシーを組む前は、音楽以外にも小説を書いたり、写真を撮ったり、様々なことに挑戦していたという。親には物心ついてすぐ、観劇にも連れて行かれた。その頃から彼の「自分に合った場所」探しは始まっていたのかもしれない。

「親も多趣味で、俺以上に好き勝手やっている人たちなんですよ。それを見てたら“ああ、このくらい自由でもいいのか”と思うようになったのかもしれない。親をびっくりさせたかったんですよね『お前、そんなことやってるのか、おもろいやん!』と言わせたかった。そこが、そもそものスタートなんでしょうね」


学校では友人たちとサッカーやゲームなどをして遊び、家に帰ってからが自分1人の時間。「さあ、寝るまでの間は何をしよう?」と考えるのが楽しくて仕方がなかった。そんな渡辺の価値観を大きく変えた出来事が、これまでの人生で3度あった。最初の革命は、バンドを組んだときに起きたという。

「高校に入る前は、好きなものを誰かと共有することがなかったんです。でも、今のメンバーと出会ったことで視野が一気に広がって。好きなものを熱く語ると引かれる人生しか送ってこなかったから、これはもう衝撃でしたね」

2度目の革命は「映画に出たこと」。バンドは自発的に、自分がやりたいことをやる場所だが、映画は自分自身が必要とされ、求められる場所だったという。そして、3度目の革命が「失恋したこと」。失恋により、映画や音楽で培ってきた価値観を全てひっくり返されてしまった。

「突然フラれたんです。僕はその子と、もうずっと一緒にいるのが当たり前だと思ってたのに。映画や音楽なら、必要だと思って求めれば手に入るじゃないですか。でも恋愛って、僕がどんなに相手のことを必要でも、相手から必要とされないということが起こり得るし、目の前からいなくなることがあるのだと。それは、天地がひっくり返るような衝撃でしたね」

そのときに、「他者性」というものを強烈に意識し、相手から見える自分という「俯瞰」の目を持つようになった。もう1人の自分が自分の中にいる感じ……それは、映画を作る上でとても大事な感覚でもある。「演じるときは、自分を俯瞰で見られないとダメなんです」と述べた後、「失恋してからは、自分は求められてない状態が前提になった。“求められてない。じゃあ、何をする?”に思考が変わりましたね。1人でも出来ること、思うことってなんだろう?って。心は痛みましたけど、いい経験です」と振り返った。

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