米国上院議員、ライブ・ネーションCEOにチケットマスターの集団詐欺の説明を要求

ライブ・ネーション・エンターテインメント社長兼CEOマイケル・ラピノ (Photo By Tom Williams/Roll Call/Getty Images)

アメリカ合衆国上院議員のジェリー・モランとリチャード・ブルーメンソールの2名は、チケットマスターの親会社ライブ・ネーションCEOマイケル・ラピノにチケットマスターの転売プログラムの詳細を要求した。

先週CBCとトロント・スターが公表したことでチケットマスターと転売業者が共謀して行っていた詐欺行為が明るみに出たことに伴い、アメリカ合衆国上院議員2名はチケットマスターの親会社ライブ・ネーションCEOマイケル・ラピノ宛に書面を送付し、チケットマスターの転売プログラムについて早急に説明するように求めた。

最近BOTS Act(Better Online Ticket Sales Act)で消費者がチケット購入する場合のボット使用を制限する法案の通過を促したジェリー・モラン上院議員とリチャード・ブルーメンソール上院議員は、チケットマスターが提供する業者用の転売プログラムTradeDeskの不正に関してのニュースを懸念しており、ラピノに10月5日まで回答するように求めている。

CBCとトロント・スターの報告では、チケットマスターがTradeDeskを利用する転売業者を不問に付していると指摘した。これはチケットマスターのポリシーに違反しているだけでなく、TradeDeskの転売業者は大量のチケットを短時間で買い漁ることが可能で、チケットマスターはこの転売プログラムから巨額の利益を得ているというものだ。チケットマスターCEOのジャレッド・スミスはこれまでのところ、「チケットマスターは現在も、過去も、転売業者がファンよりも先にチケットを購入できるようなプログラムは提供していない。以上」という声明を出しているに留まるっている。

チケットマスターは2010年からライブ・ネーション傘下に入ったこともあり、今回上院議員が回答を求めたのはチケットマスターの親会社にあたるライブ・ネーションだ。「TradeDesk利用者が年間数百万枚のチケットを取引している例が複数提示されており、この記事で指摘された消費者への損害は重大で、即時の回答が必要である」と、前出の二人の上院議員が書面に記した。

ライブ・ネーションに送付された書面の全文は以下の通りだ。


カリフォルニア州ビバリーヒルズ
シヴィック・センター・ドライブ9348
ライブ・ネーション・エンターテインメント
社長兼最高経営責任者 マイケル・ラピノ様

ラピノ様

9月19日のCBCニュースで、イベントチケット販売と流通を行うライブ・ネーション・エンターテインメント傘下会社チケットマスターが、同社のチケット転売部門を拡張するために、通常のチケット販売プラットフォーム上のチケット購買制限を迂回するチケット転売業者を募集および雇用していたと報告された。この記事によると、チケットマスターは転売業者用プログラムTradeDeskを利用して、チケットマスターの従来のチケット販売サイトから大量のチケットを短時間で効率よく購入できるウェブベースの購買サイトを転売業者に提供し、転売業者は自身の転売プラットフォームで購買価格よりも高値で販売できるようにしている。TradeDesk利用者が年間数百万枚のチケットを取引している例が複数提示されており、この記事で指摘された消費者への損害は重大で、即時の回答が必要である。

消費者を不公平な取引や不正行為から守るのが我々の使命であるため、このプログラムの使用に関する明確な回答を要求する。制定されたBetter Online Ticket Sales (BOTS) Act of 2016によって、「チケット発券者が利用するインターネット・ウェブサイトやオンライン・サービスの安全対策、アクセス制御システム、それ以外の技術的な制御や対策を迂回して、発券業者自身が公開されたイベントチケットの売買制限を強化すること、また公開されたオンライン・チケット売買の発注規制に対する一貫性を保持すること」は禁じられている。そのため、下記の質問に対する対応をお願いしたい。

チケットマスターが現在、通常のチケット販売プラットフォームの売り上げに制定しているイベントチケット購入枚数の制限を教えてほしい。加えて、この購買枚数制限を迂回するために使用されているコンピュータ・プログラムを同社がどのように捉えているのかも教えていただきたい。

チケットマスターのチケット購入枚数制限とそれに関わる不正探知機能はオンライン・プログラムTradeDeskの利用者に適用されるのか。もし適用されない場合には、その理由の説明をお願いしたい。

チケット購買制限とそれに類する消費者保護の優先度に関して、TradeDeskに参加している利用者に対して提示される特定のルールやコンプライアンスの手順はどのようなものか。TradeDesk利用者に提供される書類やガイダンス素材も提出願いたい。

チケットマスターの転売業者用ハンドブックは、転売業者の違法なチケット購買を阻止するためにどのような役割を果たしているのか。

至急書面での回答をお願いしたい。期限は2018年10月5日午後5時とさせていただく。この重要な案件に対して迅速な対応していただいて感謝する。

Translated by Miki Nakayama

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