プリンスがピアノで弾き語る最新アルバムより「17デイズ」が解禁

プリンスの最新アルバム『ピアノ&ア・マイクロフォン1983』が今秋に発売される (Photo by Michael Montfort/Michael Ochs Archives/Getty Images)

プリンスの最新アルバム『ピアノ&ア・マイクロフォン1983』から、シンプルバージョンの「17デイズ」が解禁された。他には、「パープル・レイン」「ストレンジ・リレーションシップ」、ジョニ・ミッチェルの「ア・ケイス・オブ・ユー」など全9曲が収録されている。

ファンキーなピアノのグルーヴをつま弾き、照明を落とすよう指示すると、ジェームズ・ブラウンばりのかけ声をあげたプリンスは、ビートボックスを少々披露した後、情感たっぷりに歌い始める。未発表曲を集めたアルバム『ピアノ&ア・マイクロフォン1983』に収録されている「17デイズ」は、こんな風に始まる。「ビートに抱かれて」のB面として、ザ・レヴォリューションを交えて収録したバージョンと比べると、ずっと自然体で素朴な趣だ。曲の中でプリンスはシンセサイザーのパートをファルセットで歌いあげ、ジャズピアノのフレーズの合間に別離の悲しみを吐露する。

「17デイズ」は、9月21日にリリースされる『ピアノ&ア・マイクロフォン1983』のオープニングを飾る1曲。アルバムにはこの他、「パープル・レイン」や「ストレンジ・リレーションシップ」、ジョニ・ミッチェルの「ア・ケイス・オブ・ユー」など9曲が収録されている。ちなみに「ア・ケイス・オブ・ユー」は、この曲にいたく感動したプリンスが、のちにペイズリー・パークと呼ばれるミネソタ州チャンハッセンの自宅スタジオでカセットテープに収録したときの音源だ。

当時5枚目のアルバム『1999』をリリースしたばかりのプリンスは、「インターナショナル・ラヴァー」を最後に、商業目的での楽曲リリースを辞めていた。ようやく新曲が発表されたのは1985年の春。もともと「17デイズ」は、プリンスがプロデュースしたガールズバンド、ヴァニティ6のために書かれたものだが、メンバーの1人ヴァニティがプリンス組から脱退したため、プリンス名義の曲となり、その後何度となくライブで演奏された。1997年から2000年中頃には、プリンスのライブでの定番曲でもあった。

故プリンスの遺産管理団体はすでに、『ピアノ&ア・マイクロフォン1983』からスピリチュアルな「メアリー・ドント・ユー・ウィープ」をリリース済み。この曲はスパイク・リー監督の最新作『BlacKkKlansman(原題)』のエンディングでも使われている。

遺産管理団体はまた、1995年から2010年にかけてレコーディングされた音源をストリーミング配信し、晩年に制作された23曲を収録したコンピレーションアルバムもリリースしている。

Translated by Akiko Kato

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