元ソニック・ユースのキム・ゴードンが選んだ「別れの歌」ベスト5

Kory Grow | 2018/08/04 10:30

| 現在はビル・ネイスとのデュオ、Body/Headで活動するキム・ゴードン(写真左)。隣は娘のココ・ゴードン・ムーア(Photo by Slaven Vlasic/Getty Images) |

キム・ゴードンはリストを作るタイプではない。「実は大嫌いな部類に入ることなんだけど、一旦夢中になると、『ああ、やっぱり、これって楽しいじゃない』となるのよ」と、笑いながらゴードンが言う。「まずは往年の別れの歌というテーマで始めたの。でも、徐々にそのテーマが恋愛関係の歌に変貌していった」と。

彼女は、大部分の曲を別れ歌というテーマに沿って考えたらしい。それというのも、簡単に歌が思い浮かぶと思ったからだ、と。「物悲しい音楽を聴くことが多いのよ」と言って、彼女はふたたび笑う。しかし、選曲するうちに物悲しいだけの音楽とは違う方向へ進んだようだ。「様々な形の別れと対峙する歌を探していたの。例えば文化との別れみたいな。最初、ビキニ・キルの“Suck My Left One”を選ぼうと思った。だって、この曲ってハードコア・シーンと父系社会にサヨナラしているって感じだから(笑)。あとは、バッファロー・スプリングフィールドの“Out of My Mind”。これってコミュニティとの別離の感情を歌っているの。それこそ(特定のファンが言うような)『ロックスターになってしまったあなたからは離れる』って状況に似ている。60年代のスラングで言うなら、相手が“The Man(政府や権力者など)”になってしまったと気づく内容ね。その人は革命や反体制文化の側から離れたってこと」

そんなふうに、あれこれ考えてくれたBody/Headのフロントウーマンのゴードン。最近、新作『The Switch』をリリースしたばかりの彼女が選んだ5曲は、5人の女性アーティストがそれぞれの別れを赤裸々に告白したユニークな曲ばかりとなった。

エレナー・フリードバーガー「Roosevelt Island」



この曲が収録されているアルバム『Last Summer』には70年代のクールなラジオ・サウンドが織り込まれていて、彼女の言葉遊びも大好き。彼女ってありふれた物事をとても意味のあるものに変える力を持っているわ。「Roosevelt Island」で、彼女は列車に乗っているんだけど、途中で「そして進んで行く、進んで行く」という歌詞が出てくるの。思うに、これは「別れのもう一つの側面を見ろ」って言っている曲じゃないかしら。アルバムの最初の曲「My Mistakes」は終わってしまった恋愛を嘆いているだけって感じで、こっちの曲の方が希望の光が見える。「Roosevelt〜」で彼女は列車に乗る歌詞を歌っているけど、この歌詞からニューヨークで生きること、そこで孤独になることを感じ取れると思うの。ある意味で、感情への窓口のようなもので、楽観的で活気がある。都市が人を元気づける様子が見えるはず。まあ、ルーズヴェルト・アイランドに行くってことは、実は都会の喧騒から逃げることなんだけどね(笑)。
Translated by Miki Nakayama

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