チバユウスケが語る「変わらない」音楽への姿勢とその美学

Joe Yokomizo | 2018/07/09 18:00

| Rolling Stone Japan vol.03掲載/Coffee & Cigarettes 05 | チバユウスケ(Photo by Kentaro Kambe) |


全身全霊でロックを体現するチバも、まもなく50歳になる。その話になると少しだけ神妙な声でこう切り出した「30、40は通過点だったけど、50はちょっと思うかなぁ……。ウチの親父が71歳で亡くなってるんだよ。だから、俺の人生あと20年か…って思うね」と。では、50歳になったら、何か特別なことでもやるのだろうか? 「やらない。次のアルバムが出ればそれでOKだよ」とタバコを燻らした。なんだか、いつ死んでもいいそんな空気すら漂うが、チバはこう言い放った。「いつ死んでも良くはないよ。新しいアルバムのマスタリングが終わって、アルバムジャケットが出来上がっていれば、別にいいけどね」と。それだけ、次のアルバムには魂を注いでいるのだろうか。 「次のアルバムに限らず、全部だよ。今まで出した全部の曲、全部のアルバムが最高だと思っている。そうじゃなきゃ出さないから」と。

6月13日にリリースされたThe Birthdayの最新シングル「THE ANSWER」も最高のロックンロールだ。ただ、タイトルが気になったので、50歳を前に何か答えが見つかったのか?と聞いてみた。チバは短く「答えは……ない」と呟いた。タバコを何口か吸い、話を続けてくれた。「例えば、曲でいうと、こういうパターンもあるなとか、ここはこういうバージョンもいいなぁとか、パターンやバージョンはあるんだよ。で、その中から正解を選んではいるんだけど、もしかしたら他のバージョンの方が面白かったかもしれないじゃん? だから、答えはない」と。

話を聞いていると、ジョニー・サンダースの音に“何じゃコレ?”と思ったときからチバは変わらずに生きているような気がした。実際、「この間もスタジオでメンバーと音を出していて、ギターの音を聴いた瞬間や、ドラムの音を聴いた瞬間に“何じゃコレ?”って思ったよ」とチバ自身も言っていた。思わず「チバさん、変わらないですよね?」というと、「人間、そんなに変わらないよ」とほほ笑んでくれた。

でも、お金で変わってしまう人もいる。あるいはお金が欲しくて変わってしまう人もいる。チバはどうなんだろうか? 野暮だと知りながら、お金に興味はないのか聞いた。「金は要らないね。好きな酒と好きなタバコが買えるだけあればいい」と短く答えて、タバコをふかした。

7月10日がチバの50回目のバースデーだ。そういえば、The Birhdayというバンド名はどこから来たのだろうか? 今まで忘れられない誕生日の思い出でもあるのだろうか? 「そんなのあるわけねぇだろう。名前はひらめきで付けただけ。他にニック・ケイヴがいたThe Birthday Partyぐらいしか聴いたことがなかったしね。でも今はこのバンド名も気に入ってるよ」とチバ。正解に向かっているかどうかは神のみぞ知るだが、チバの直感はバンドを始めたころから変わらず冴えたままだ。





「THE ANSWER」
The Birthday

Universal Sigma
発売中


チバユウスケ
1968年7月10日生まれ。96年にTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTとしてデビュー。解散後はROSSO等で活動後、2005年よりThe Birthdayを結成し活動中。9thアルバム『NOMAD』以来、約1年ぶりの新曲となる最新シングル「THE ANSWER」を6月13日にリリースした。
http://www.rockin-blues.com/category/the-birthday

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