カニエ・ウェスト、ヒラリーへの投票ムードは「政略結婚のようだった」と語る

photo by Shutterstock

トランプ支持、奴隷発言で物議を醸しているカニエ・ウェストが、「俺が言ったのは、400年間も何かを続けることは一つの選択に思えるってことで、それが選択だとは言っていない」と、本人の奴隷発言について釈明し、また先般の大統領選でのヒラリーへの投票に関して物申した。

トランプ大統領支持への反発と「奴隷は一つの選択に思える」発言で物議を醸しているカニエ・ウェストは、ニューヨーク・タイムズに掲載された幅広いトピックスについて語ったインタビュー内で自己弁護を画策したようだ。「トランプ支持」を広い文脈の中で捉えよう彼が言ったことは、「民主党へ投票すべきという社会的なプレッシャーは「政略結婚」のように感じた」ということだった。加えて「だって『ヒラリーを好きにならなきゃダメだ。お前が選ぶのはそれだ』だぜ。アソコを去勢された気分になったよ」と、語っている。

ウェストは「世界」が彼に反トランプの投票を指示したと説明した。その理由は「俺が黒人で、俺が繊細な音楽を作って、俺の魂がとても繊細だから」だと。そして「俺はこう感じたよ、そいつは俺が結婚したい相手じゃないって。そんな気にはなれない。俺は前より良い父親だと思うよ。だって俺は……本来の考えを取り戻したから。俺は前より良いアーティストだ。だって本来の声を取り戻したから。前の俺は大衆の思いが反映された世界で生きていたし、そのせいで自分を見失っていた。つまり、俺は暗い場所にいたってこと。今の俺の目を見てくれ。暗さは一切ないだろう」と付け加えた。

確かにウェストは「トランプのポリシーに全部賛成しているわけじゃない」と言うが、自分の本心を話すことは、「外出して投薬治療を抑える方法を学んだこと」と共に、彼自身の心境に変化を生じさせたと言う。

「自分の言いたいことを公言すれば多くを失うって知っているけど、立ち上がって、とりあえず言いたいことを言う。それもあまりリサーチしないでね」とウェスト。「情報過多な状況で得た政治的な意見は、そうだな、子供なのに礼服の着方を知っているようなもんだ。『これが好きだ』とトランプが言うのを聞いて、俺は『それはいい感じだな』って思うわけさ。もちろん、俺がそんな発言をするのが嫌いなファンがいるってことも知っているよ」

また、ウェストはあるグループを代表して発言することに「プレッシャー」を感じるべきだという意見を否定して、こう切り替えした。「そんなもんは意味のないバカげた質問だぜ……じゃあさ、たとえば一組の夫婦がいて、ダンナがトランプ支持でトランプに投票したけど、奥さんはそうじゃなかったとか、その逆とかがあるって思う?」。

この記事の中で、ウェストはTMZでの問題の奴隷発言について、自分は常に考えの核心に迫るために常に自分の言葉を調整すると言いながら、次のように釈明した。「400年間も何かを続けることは……つまり……一つの選択だと思えるってことで、それが選択だとは言っていない。奴隷制度のことは、つまり足かせでつながれているような奴隷が選択だなんて、一度も発言してないぜ。だからこそ、俺の言葉が『捕らわれている』から『400年』になって『精神の監獄』へと変わったわけだよ。あの動画を見てくれれば俺の心の動きがはっきりわかるはずだよ」。

ニューヨーク・タイムズが、問題の奴隷コメントをもう一度言い直せるとしたらどう言うかと聞いたとき、ウェストは「気の利いた言い回しや注目を集めるような言葉は使わない」と認めた。しかし、彼は「俺が言いたいことは、これって文字通り、自分がやってもいない窃盗か何かで自分の無実を証明するために裁判所で証言している気分だよ。この場合は、俺が一度も言っていないことを言い直すってことだけど。自分の足元が不安定だと気付いていると大声で言うのってバカみたいだし、とは言っても前言を撤回するつもりもない。俺が今後することは、自分の発言の威力が強力なことを知りながら、ことごとく裏目に出るような使い方を許してしまったことに対する責任を取ることさ」と言って、どう言い直すのかには言及しなかった。

Translated by Miki Nakayama

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE