the GazettEが死を歌う理由「楽しかったことや気持ちよかったことは歌詞に直結しない」

―なるほど。ではあらためて、この時代に死を歌う目的や意味は何になるんでしょうか?

RUKI 『NINTH』を作っているときで言えば、逆に、なぜ一般的には死や猟奇的な事件について歌われないのかを考えましたね。どうしてタブーなこととされるのか、っていうことを。昔、飛び降りたアイドルの方がいらっしゃったじゃないですか? あのときは、写真週刊誌に現場の写真が出ていたんです。でも、今は週刊誌にそうした写真は出ないですよね。 僕はあの写真を見て、死への恐怖感が出ました。それで自殺を思い止まる人もいるはずです。でも今は、死は不適切扱いされています。もちろん、残虐な写真を掲載しろ!という話ではなく、死が不適切扱いされるのが解せないですね。


RUKI

―そこまで歌詞にはっきりとした世界観があり、海外のツアーでオーディエンスを魅了するサウンドを武器にしているわけですから、いわゆる「化粧」は必要としなくてもいいと思うのですが。


RUKI:ずっと化粧をしているので、落とそうっていう考えは微塵もないですね。海外ツアーに行くと面倒臭くて化粧を止めてしまうバンドもいるみたいですけど、海外に行っても早く現場入りしてちゃんと化粧します。

URUHA:化粧に対してそんなに深く考えたこともないです。もう化粧をしているのが自然で、化粧しないと顔がないって状態ですなので(笑)。

―でも、そういう部分に先入観を持つ人もいますよね。音楽がカッコよくても化粧しているだけでそのバンドを聴かない人たちがいる……。

URUHA:見た目で評価する人は音楽を聴いても真っ当な評価ができるのか、謎なところではあるので……。

RUKI:そこは気にしたことないですね。というのも、LOUD PARKといったアウェイなところでも演奏してきたぐらいなので。

―LOUD PARKはどうでした?

RUKI:LOUD PARKは逆にウケましたけどね。なんかブーイングの方がよかったなぁって思うぐらいで(笑)。

―オーディエンスもかなり集まりましたか?

RUKI:演奏を始めたときはあまりいなかったです。

URUHA:でも後半になったらわらわらと人が集まってきて、雰囲気がライブ開始のときとは全然違いましたね。

RUKI:LOUD PARKがあったからKNOTFEST JAPANに出たときはアウェイな感じがしなかったぐらいですから。

―KNOTFESTにthe GazettEは普通ですよ。

RUKI:ですよね。でも、さすがにLOUD PARKはおかしいでしょ? オファーが来たとき、びっくりしましたから。ジャンルに壁はねぇって言ってたら、すげぇブーメランが返ってきたなぁと。思わず「ジャンルの壁は必要だ」と思ったほどです(笑)。

―(笑)ミュージシャンだと誰と仲がいいですか?

RUKI:誰も知らないですね。ヴィジュアル系にも仲のいいバンドがいないんです。だからあんまりつるまないんです。僕は90年代の殺気立った感じとか聴いたことない音楽が好きだっていうだけで、ヴィジュアル系そのものが好きなわけでないです。

URUHA:仲間うちのフェスよりも、バチバチで睨みあっている人たちが集まってやっているフェスの方が絶対面白そうですからね。

RUKI:だからあんまり考えないですね、周りのことは。

―でもCDが売れない時代に突入して、みんな仲間を作ってシーンを少しでも広くしていく方法でサヴァイヴしているわけじゃないですか。the GazettEはどういう考え方なんですか?

RUKI:なるべくヴィジュアル系の枠は意識せず、クオリティの高いものをやっていきたいなと思っています。

URUHA:シーンとかではなくて、クオリティの高いものやってthe GazettEそのものを広めていくっていうイメージですね。

RUKI:音だけで表現しようとは思わないんです。メイク、衣装、ジャケット……出すもの全てが自分たちの表現の一環なので。MVもホームページもそうです。しかも、わりと自分たちでやってるんですよ。それこそ、MVの編集もメンバーがやるぐらいなんです。

URUHA:その方が自分たちの魅力や表現したいことを伝えられるので。見た目もすっぴんよりはメイクしたほうが自分たちの見せ方がわかるし、絶対にカッコよく見せられる自信があるんです。

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