真木よう子が「耐え忍ぶ役」で見つけた家族の絆

Takanori Kuroda | 2018/06/18 10:20

| 映画『焼肉ドラゴン』に出演する真木よう子(Photo by Yoko Yamashita) |



─今回、静花を演じる上で参考にした映画があったり、女優がいたりしましたか?

真木:それが、ないんですよね。よほど個性的な役を演じるときなら、参考にする映画もあるんですが。ただ、片足を引きずる設定だったので、それをどのくらいの引きずり方でやればいいのかとか、そのあたりは監督と相談したりはしましたが。

─つらい過去の原因を作った張本人と、離れられない関係になってしまうという意味では、『さよなら渓谷』の「尾崎かなこ」にも通じる部分があるなと思いました。

真木:ああ、言われてみれば確かにそうですね。ただ、かなこと違うのは、つらい過去はあっても絶望はしていない。耐え忍ぶ子だし、感情を抑えるシーンも多いんですけど、根は暗い子じゃないんです。みんなの前では気丈に振る舞ってみたりもするし。そういうときの声のトーンと、誰もいないときにふと見せる表情。そのへんのバランスには気を付けました。

─そういう意味では、他の姉妹と比べて難しい役どころですよね。

真木:私にとってはそうでしたね。だからこそ、この三姉妹の中でも一番やりたい役でもありました。「今までやったことのない役にチャレンジしたい」という気持ちもあったし。

─他の姉妹を演じた井上真央さん、桜庭ななみさんの印象は?

真木:真央ちゃんは「プロだなあ!」って思いました。本来なら私が彼女の役を演じたほうが、しっくり来たのかなって最初は思ったんですけど(笑)、「梨花だったらこういう行動するだろうな」っていうことを忠実に再現していて。あと、関西弁が完璧だったんですよ。焦るくらい(笑)。ななみちゃんは、とってもフレッシュでしたね。

─今回、映画としては初監督を務めた鄭さんの印象は?

真木:割と舞台では、細かく稽古をつける方だと聞いていたんですけど、今回それほど注文はなかったですね。むしろ、台本を読み込んで色々と準備してきたことが、本番でもそのまま活かされるということはまずなくて。役者がそこでどう感じたか?ということを大切にしてくれる監督でした。あと、モニター越しで、観客として楽しんでいる様子が印象的でしたね。どのシーンだったかはっきり覚えていないのですが、泣けるシーンでは本番中に泣いていましたし(笑)。

─日本人、韓国人の役者が入り混じっての現場はどんな感じでした?

真木:いつもの現場とそんなに変わらなかったですね。言葉の壁みたいなものも、感じたことはなかったし。むしろ、使っている言葉が違うぶん、より相手のことを知ろうと思って、積極的にコミュニケーションしていたかもしれないですね。

─映画の中でお父さんが「たとえ昨日がどんなでも、明日はきっとえぇ日になる」と言うシーンがとても印象的です。真木さん自身は、この言葉を身に染みて感じたことってありますか?

真木:うーん、「今日はめちゃくちゃつらかった……」っていう日は日常で頻繁に起こることではないですからね(笑)。もちろん、普通に生きていく中で「あれ、どうしようかな」「これ、どうしたらいいだろう?」って思い悩むことも出てくるんですけど、最終的に「まあ、きっと何とかなるだろう」って考えるタイプなんですよね。それは、今抱えている悩みや問題に対して無責任になるわけでは決してなくて。無駄に悩まなくても、「まあそのうち良くなっていくでしょう」って楽観的に考えながら取り組んだほうが、きっと良い方向に進んでいくだろうって思っているからなんですけど。

RECOMMENDED

おすすめの記事