「女性差別は悲しいこと」チャックDとレイジの2人が語る音楽と政治のつながり


レイジの今世紀バージョンをやるには、フロントマン二人分のパワーが必要なんだ

―話を戻すと、PORとしての活動も2年が経過したわけですが、そのなかでどんな手応えを感じてきましたか?

チャックD:このバンドで最初のEPを作るときに痛感したことがあるんだ。ザック・デ・ラ・ロッチャがかつて歌っていた曲を、ロックの世界でもっともハードに演奏するバンドと一緒にラップするためには、まずしっかりリハーサルして、訓練を積まないといけない。そうでもしないと、レコーディングをエンジョイすることもできないんだよ。

ブラッド:(笑)。

チャックD:それに俺ひとりでは、ザックの役割を引き受けるのは不可能だった。B-リアルがいるから初めて成立するんだ。要するに、レイジの今世紀バージョンをやるためには、フロントマン二人分のパワーや鋭さが必要なんだと思う。だから、ザックの偉大さはもっと認知されるべきだよね。過去の偉大なるMCたちでさえ、この力強い演奏とリズムには呑み込まれてしまうかもしれない。タイミングよく乗り込まないと、機関車のような演奏に轢かれてしまうからさ(笑)。

ブラッド:バンドを継続していく過程で、俺たちの結束も日増しに深まっているんだ。だから、パーラメントの『Let’s Take It to the Stage』じゃないけど、これからも新しいレコードを作って、その新曲をステージに持ち込み、みんなの前で演奏していこうと思っている。そしていつか、俺たちは勝利するんだ。

プロフェッツ・オブ・レイジプロフェッツ・オブ・レイジ
Photo by Eitan Miskevich 

―PORでは新曲と一緒に、「ファイト・ザ・パワー」や「ゲリラ・レディオ」といった自分たちの代表曲もプレイしていますよね。改めて演奏しながら、何か発見することはありますか?

チャックD:いつもステージで演奏するたびに、新しい曲のように感じているよ。

ティム:それが新曲であろうと、25年前に書いた曲であろうと演奏する側にとっては変わらないんだ。常にベストの演奏をしようと心がけている。筋肉が記憶しているものを呼び起こし、魂や脳、ハートとの折り合いをつけながら、パーフェクトな演奏をしようという感覚なのかな。もう体が覚えているんだよ。

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