「女性差別は悲しいこと」チャックDとレイジの2人が語る音楽と政治のつながり

Toshiya Oguma | 2018/06/05 09:15

| 「VANS WARPED TOUR JAPAN 2018」でのチャックD(中央左)とB-リアル(同右)(Photo by Eitan Miskevich) |

さる4月に幕張メッセで開催された「VANS WARPED TOUR JAPAN 2018 presented by XFLAG」に、ヘッドライナーとして出演したプロフェッツ・オブ・レイジ(以下POR)。来日前に実現したトム・モレロとのインタビューに続き、今回はチャックDとティム・コマーフォード、ブラッド・ウィルクの3人に話を訊いた。

ステージに立ったトム・モレロがギターをひっくり返すと、「そだねー」と書かれた紙がボディに貼り付けられていた。このように(日本国内の時事ネタも意識した)エンターテイメント性もアピールしつつ、真摯にオーディエンスと向き合うライブこそPORの真骨頂。レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのトム・モレロ、ティム・コマーフォード、ブラッド・ウィルク、パブリック・エネミー(以下PE)のチャックDとDJロード、サイプレス・ヒルのB-リアルによる6人組は、過去の人気曲と現バンドのナンバーを織り交ぜ、衰えを知らないパフォーマンスで大観衆を沸かせた。

「革命的な特別部隊」ことPORが結成されて、早くも2年が経過した。彼らはいま何を思うのか。現在の心境とさまざまなトピックについて語ってもらった。


マーベル映画にミステイクは存在しない

―まずはチャックDに質問です。『Chuck D Presents This Day In Rap and Hip-Hop History』という、ヒップホップの歴史をまとめた本を昨年刊行しましたよね。この本を作った理由を教えてください。

チャックD:ロックの歴史はしっかりオーガナイズされているし、個々の作品やミュージシャンに対するリスペクトも浸透しているけど、ヒップホップやラップ・ミュージックはまだそこまで至っていないと思うんだ。もっと知られるべき事実や、忘れ去られた物事がたくさんある。だから俺は、次の世代に継承するための礎として、ヒップホップの歴史を系統立ててまとめた本を作ろうと考えたのさ。

ティム:この表紙を見るだけで、ワクワクするものを感じずにいられないよ。

―今ではこの本のように、ヒップホップの情報にもアクセスしやすくなりましたが、みなさんが若い頃はどうやって音楽の情報を得ていたのでしょう?

ティム:(机に並べたCDを指差しながら)パブリック・エネミーやサイプレス・ヒルのアルバムから多くを学んだよ。この2組がいたからレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンを立ち上げて、いくつもアルバムを発表することができたんだ。そのなかでも、『イーヴィル・エンパイア』(1996年のセカンド)が俺たちのベストレコードだと思う。

チャックD:(1987年に)PEとして最初のレコードを発表する前から、俺たちはヒップホップがポップ・ミュージックになりうると信じていた。だから、この音楽がレコーディング芸術としても普及していく過程で、ヒップホップをもっとパワフルで、ロックにも匹敵するような表現にしようと企てたんだ。それこそ、アイアン・メイデンのような要素を取り入れたりね。

―昔のアルバムといえば、映画『ブラックパンサー』のとあるシーンで、PEの2作目のポスターが貼ってありましたよね。映画はご覧になりました?

チャックD:ああ、2回観た。あのポスターの許諾については、2年前に問い合わせがあってね。(手をパチンと叩いて)即答でOKしたよ。俺は1968年にコミック版を読んでから、『ブラックパンサー』の大ファンだから。

―そうらしいですね。

チャックD:『X-MEN』や『デアデビル』もそうだけど、スタン・リー(原作)とジャック・カービー(作画)は当時そこまで注目されてなかった。むしろ、彼らとマーベルの豊かな想像力が生んだスーパーヒーローの物語は、21世紀に入ってから多くの人々に発見されるようになったよね。その事実こそが、時代を超えて愛されるべき作品であることを雄弁に物語っていると思う。

―ちなみに、映画の感想は?

チャックD:マーベルの映画にミステイクなんて存在しないよ(笑)。

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