ONE OK ROCKが2018年に体現した過去と今と未来 ワールドツアー最終日・福岡公演ライブレポ

アンコールの大歓声に応じて登場した4人。ここからは「未来」へつなげるパートだ。Takaの「ONE OK ROCKの第二章を一緒に歌ってくれますか?」の呼びかけでスタートしたのは今年の2月に配信された「Change」。新章を告げる曲らしく、リズムもこれまでになかった新しいものだし、ヴォーカルの“Stay we’re looking out”“Looking out looking out looking out”のフロウもこれまで以上にキャッチーに響く。根っこにあるのはロックの力強さなのだが、多様な音楽で彩られたカラフルさが印象的。ライブ会場で配っていたフライヤーにTakaは“「Change」に必要なのはノレるメロディと音という「かわいさ」でした”という言葉を寄せているが、確かにこれまで以上に愛嬌があるし、オーディエンスに可愛がってもらえそうな曲だなと感じた。最初から最後まで横ノリのまま展開するのもONE OK ROCKのレパートリーの中では珍しいし、歌詞で“道なき道を進み目指す場所へ”という一説があるが、まさにそれを証明する一曲である。

そんな新しさの後に見せつけたのは、「完全感覚Dreamer」という自分たちが歩んできた「道」だ。激情とともに、Taka、Toru、Ryota、Tomoyaの4人のケミストリーが炸裂。13年間、いろんなことがあっただろうが、彼らのバンドの根本は変わらない。この4人が音を鳴らした瞬間、そして4人の気持ちが一つになった瞬間、付け加えるならそこにオーディエンスの想いが乗っかった瞬間、最高のライブになるのだ。


(Photo by Kazushi Hamano)

最後のMCでTakaはこんなことを言った。

「これだけの本数をツアーでまわってきて、皆さんに言いたいことがあります。年齢なんか関係なくて、どうかしっかり自分の生きたいように生きてください。世界一周して言えることは、これだけです。皆さんと僕たちでONE OK ROCKです。今日はありがとうございました! 最後一緒に歌おう!」

そして合計99公演におよんだONE OK ROCK「AMBITIONS TOUR」の最後を締めくくったのは「We are」。感極まった様子のTakaによる“自分を誤魔化し 生きることに意味はあるか”の歌唱の後に、“When you’re standing on the edge So young and hopeless Got demons in your head”のパンチラインが続き、“We are, we are”でオーディエンスが一体となる。この一連の流れはかなりグッときた。そしてTakaは「忘れんなよ、忘れんなよ」と二回繰り返し言った。それを支えるToruのギター、Ryotaのベース、Tomoyaのドラム。まさしく「刻みつける」という表現がふさわしい、魂の熱演だった。

アンコール終了後、長いおじぎと記念撮影があり、名残惜しそうにステージを後にする4人。「またすぐに会おうね。愛してる、ありがとう」のTakaの言葉に続き、万感の思いのこもったToruの「ありがとうな!」の言葉が印象的だった。

東京公演とほぼ同じセットリストではあったものの、長い長いツアーの集大成でありバンドの第一章の締めくくりであったことを考えると、この日の福岡公演は大きな区切りの意味を持つことになるだろう。今後、世界中のステージで感じたフィーリングを素晴らしい音楽へと昇華してくれるはずだ。過去と未来、アーティストの人生とオーディエンスの人生、日本と海外、あらゆるものをつなぐ究極の媒介としてONE OK ROCKはまだまだ進化する。そのメッセージが「We are」なのだ。

SET LIST
01.Taking Off
02.未完成交響曲
03.キミシダイ列車
04.Cry out
05.The Way Back
06.Bedroom Warfare
07.Clock Strikes
08.One Way Ticket
09.内秘心書
10.Wherever you are
11.Last Dance
12.  INST
13.Deeper Deeper
14.I was King
15.Take what you want
16.The Beginning
17.Mighty Long Fall
18.Nobody’s Home

(Encore)
En1.Change
En2.完全感覚Dreamer
En3.We are

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