写真家・鋤田正義が明かすボウイ、清志郎との撮影秘話

写真左からイギー・ポップ、鋤田正義、デヴィッド・ボウイ 映画『SUKITA 刻まれたアーティストたちの一瞬』より (c)2018「SUKITA」Partners

デヴィッド・ボウイ、イギー・ポップ、YMO、忌野清志郎などのロックスターたちがその才能を認め、ポートレートを撮り続けてきた写真家・鋤田正義を追ったドキュメンタリー映画が公開される。ローリングストーン誌が行った単独インタビューで、鋤田は当時の貴重な撮影秘話を語ってくれた。

デヴィッド・ボウイ、イギー・ポップ、YMO、忌野清志郎……あまたのロックスターたちがその才能を認め、ポートレートを撮り続けてきた写真家・鋤田正義。鋤田を追ったドキュメンタリー映画『SUKITA 刻まれたアーティストたちの一瞬』が5月19日より公開になる。映画の公開に先駆けて、ローリングストーン誌は単独インタビューを行った。初公開となる貴重な撮影秘話を語ってくれた。

―映画『SUKITA』の中で、ジム・ジャームッシュが鋤田さんのことを「ロックンロールポートレートの達人」と言っていたのが印象的でした。鋤田さんの「ロックポートレート」と言えば、デヴィッド・ボウイのアルバム『ヒーローズ』のジャケットに使用された1枚が決定的な写真だと思います。

実は、撮影をした時点ではレコードジャケットに使うという話は一切なかったんです。撮影は77年なんだけど、あの時、ボウイはプロモーションで来日していたんです。ツアーじゃなかったから、すごくリラックスしていてね。僕は72年にロンドンでボウイを撮っていて、その時と同じ感じでフォトセッションをやろうか?ぐらいの軽いノリで撮ったんです。

―その時に撮った写真の中から、この1枚がジャケットに選ばれた経緯は?

僕はいつも撮影した中から15点くらいを選んで8×10(インチ)のプリントを相手に渡すんですね。あのときも同じように渡したら、「この写真を、今レコーディングしているレコードのジャケットに使わせてくれ」と連絡が入ったんです。確か、僕もあの1枚にだけ2つくらいマルを付けて送った記憶があるんですけどね(笑)。


(C)All the photos by SUKITA. All rights reserved

―鋤田さん自身もひそかにプッシュしていた1枚なんですね(笑)。

そうなんです。なので、ジャケットに僕の写真が決まったことより、“いい”とか“面白い”という視点がボウイと一緒だった喜びの方が大きかったですね。

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